午後の激しい雨も夕方には小降りになって、下北沢のleteさんへ。triolaの波多野敦子さんのソロアルバム『13の水』REMASTERED EDITION リリース記念ライブを鑑賞しました。
『13の水』に収録されている全曲の収録順演奏と並行して、CDジャケットを手がけた染色家の吉田容子さんが布のインスタレーションをライブ制作していくというライブ。CDではピアノやアコーディオンが演奏するパートもtriolaのヴァイオリンとヴィオラで再アレンジされています。
元々は2003年にCD-Rで制作された『13の水』は、いまのtriolaのダイナミズムとはすこし異なり、ビートレス中心でどちらかといえばアンビエント寄りの音楽です。8年の歳月を経て、とても丁寧に大事に演奏された9曲。静かなメロディと相まって、波多野さんのロマンチックな一面を垣間見た反面、どんなにゆっくりと静かな音楽にも、正確で強靭な内的ビートの痕跡とでもいうようなものをくっきりと浮かび上がらせるのが、波多野さんと現在のtriolaの個性なんだな、とあらためて気づかされました。
純白のワンピースで、会場をふわふわと飛び回る吉田容子さんは、さながら繊維の森の妖精といったところ。triolaのふたり、波多野さんと、手島絵里子さんが着ていたのも吉田さんが染めた、繊細で美しい衣装。夕陽のような、乾いた血のような橙色は、梨木果歩の小説『裏庭』の主人公テルミィがパラレルワールドの貸し衣装屋で選んだ、それ自体が傷であり、治癒でもあるような特別な服を思い起こさせるものでした。
ちょっとセンチメンタルないい気分で帰宅して、いろいろ検索していたらこんな動画が。楽しい!
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