
この公演は、宮澤賢治の童話「鹿踊りのはじまり」を、賢治の他作品や賢治以外のテクストとともに再構成した朗読劇です。出だしから「風の又三郎」の冒頭のリフレインが連呼され、ゲストミュージシャンの演奏をはさみながら、あれよあれよというまに2時間のプログラムが終わりました。
微細な感情表現はあえて視野に入れず、テクニックやスキルではなく、若さ溢れるひたすらハイテンションなユニゾンで、ぐいぐい押しまくるパンキッシュなパフォーマンスは、まさに初期衝動。そして純粋な初期衝動がエンターティンメントに転換する瞬間。理屈抜きで楽しめました。
卒業公演なので、最後に本物の卒業証書授与の場面がありました。大学を卒業して20年以上経ち、子供もいませんので、卒業式に出席する機会がこんなかたちで巡ってくるとは思いませんでした。
でも日本人特有なのでしょうか、惜別の気持ちを味わうのって悪くないな、と。こういう開かれた卒業式が増えて、ショービズになりうるっていうのもアリかもしれない。それが生き辛さを抱えたキッズたちのモチベーションになるとしたら、むしろ良い方向なのではないか、と考えさせられました。
出演者でもあり、この公演を紹介してくださった小林安寿美さん、どうもありがとうございます!