2023年10月11日水曜日

思ったとおりにする魔法

秋晴れ。吉祥寺MANDA-LA2で開催されたmue秋のワンマンライブ『思ったとおりにする魔法』に行きました。

弾き語りデビューした4月11日に毎年開催されるワンマンライブに加え今年は季節ごと、7月11日の『どんな気持ちも感じたままに踊る』、そして今回10月11日は『思ったとおりにする魔法』と、3か月インターバルで11日にワンマンを敢行しています。熊谷太輔さん(dr)、市村浩さん(b)、タカスギケイさん(g)の3人のバックアップは、2021年4月11日から不動です。

アンコールを含め全21曲のステージは、歌う楽しさ、アンサンブルの心地良さ、生演奏を聴く高揚感に溢れたマジカルな2時間でした。mueさんとバンド、演者と会場、ミュージシャンとオーディエンスの信頼関係を感じる。一方で、何度も聴いた楽曲でもフレッシュネスが失われない、むしろ聴くたびにフレッシュに感じるのは、mueさんが自身の音楽を過信せず、歌う意味、演奏する意味、聴いてもらう意味をいつも問い直し、確認することを続けているからだと思います。

ありのまま」(曲名)の前のMCでは「ありのままがわからなない、ありのままってなんだろう?」と自問しながら、演奏に入ると前半の大きな拍のつかみ方でその答えを提示してみせる。今回のバンドアレンジはアンビエントな空間構成を用いて複数小節単位でリズムを捉え客席に手渡すようなシーンが多い。長い夏が終わり、ようやく湿度が下がってきた昨今の空気感に相応しく感じました。

昨今の空気感ということでは、mue版 "What's Goin' On"ともいえる「いったい何が起こってる?」(旧題:まだこの世にはないゲームをしよう)で始まり、John Lennonの "Imagine" を自身の言葉で日本語訳したカバーをアンコールに配したセットリストは、意識的か無意識か、ウクライナやパレスチナはじめ世界中で起こっている紛争を踏まえ、その渦中においても日常に幸福を見出そうという意思と受け取れます。

ソロ名義の1stアルバム "Closet" に収録されている "Like A Wheel" は、曲前に「どうやったらうまくいくの? 人生は歯車のよう」と英詞の翻訳の朗読が置かれ(僕はいままで勝手に車輪と解釈していました)、リンダ・ルイスケニー・ランキン添田啞蟬坊キャロル・キングエリス・レジーナのカバーも冴えていました。7月11日には封印されていた名曲「東京の夜」と、mueさんの曲でマイベスト3に入る「気の向くままへ」が久しぶりに聴けたのもうれしかったです。


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