2019年11月10日日曜日

ノラバー日曜生うたコンサート

秋ですね。11月は一番好きな月です。大気がすこしぴりっと乾燥して、遠くから薪の燃える匂いなんかしてきたら最高です。東京はこれから紅葉が本番を迎え、街を美しく彩ることでしょう。

リスペクトするミュージシャン、ノラオンナさんのお店、西武柳沢ノラバーさんで、今年6/16(日)のバースデーライブ以来半年ぶりとなるソロ公演を開催します。完全予約制先着11名様限定のお食事付ライブ。只今ご予約受付中です。

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ノラバー日曜生うたコンサート

出演:カワグチタケシ
日時:2019年12月8日(日)
   17時開場、18時開演、19時~バータイム
会場:ノラバー 
   東京都西東京市保谷町3-8-8
   西武新宿線 西武柳沢駅北口3分
   ○吉祥寺からバスもあります。
料金:4,500円
   ●ライブチャージ
   ●6種のおかずと味噌汁のノラバー弁当
   ●ハイボール飲み放題(ソフトドリンクもあります)
   ●スナック菓子3種
   以上全部込みの料金です。
   
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銀座のノラの物語アサガヤノラの物語でお世話になり、西武柳沢にお引っ越ししたノラバーは今年7月で2周年を迎えした。こちらには5度目、銀ノラ、アサノラと通算すると13回目の出演です。

西武柳沢? どこそれ遠そう、ってお思いの方、高田馬場から約20分です。うちからだと阿佐ヶ谷まで行くのと10分しか変わりません。

恒例のご来場者全員プレゼントは、この日が忌日ということで、ノラバー限定カワグチタケシ新作訳詞集 "sugar, honey, peach +Love (is real)"。ジョン・レノンの名曲をカワグチタケシ訳でお届けします!

そしてお料理は必ずご満足いただけるクオリティ。ノラバー弁当は季節ごとの素敵なメニューをノラさんが考えてくださいます。

*銀ノラ、アサノラより1人増えた先着11名様限定の完全予約制です。
 ご予約は rxf13553@nifty.com まで。お名前、人数、お電話番号を
 お知らせください。お席に限りがございます。どうぞお早目に!



2019年11月3日日曜日

小さな小さな舟灯りvol.4

文化の日。下北沢Workshop Lounge SEED SHIPで開催されたアカリノートレコ発ワンマンライブ『小さな小さな舟灯りvol.4~未知なる円盤に乗ってみたい気持ち』に行きました。

アカリノート氏との出会いは2012年7月。共演が決まっていた同じく SEED SHIP の Poemusica Vol.7 の3日前、井の頭公園のベンチライブにお邪魔したときのことです。

それから何度か共演もし、僕が翻訳した "Melody Fair" の歌詞に新たな旋律を付け歌い継いでくれています。ライブはすこしご無沙汰していましたが、ひさしぶりに生で聴くその音楽は、はじめてのときと変わらず、みずみずしく美しく信頼に足るものでした。

豊かな声量で安定した歌唱、繊細さと粗野さを持つギタープレイ、染み渡るバラッドから賑やかなパーティソングまでアカリノート刻印されたソングライティング、聴かせどころ盛り上げどころを心得たショーマンシップ。いずれも磨きがかかりながらも、その揺るぎなさはどこから来るのだろう、と思いながら。

おそらくそれは、彼が彼自身の音楽を誰よりも愛し、信じ、且つ、常に冷徹な目で見てもいるからではないでしょうか。家族や周囲の人々に愛されて育った幼少期に形成された自己肯定感の強さがその基盤を強固にしているように感じます。

盟友と呼んでも差し支えないQooSue那須寛史くんのギターが更に広大なアンビエンスを加えて、アンコールの「戦ぎ」(そよぎ)まで全20曲。SEED SHIP わかちゃんの隅々まで神経の行き渡った最高のPAで聴く、なつかしい「金平糖は炬燵の上に」のような珠玉の旋律はもちろん「ボヘミアンララバイ」や、新譜 "croquis" 収録の「慄き」「ネコはいいな」「遠い夜凪のバルカローレ」など、奇数拍の楽曲群が今日は殊に響きました。
 
 

2019年11月2日土曜日

イエスタデイ

晴天の土曜日。TOHOシネマズ日比谷ダニー・ボイル監督作品『イエスタデイ』を鑑賞しました。

売れないミュージシャンのジャック・マリク(ヒメーシュ・パテル)は誰も聴く人がいなくても路上や桟橋やカフェでギターを弾いて歌っている。その傍らにいつも寄り添うマネージャーのエリー(リリー・ジェームス)は普段は中学校で数学教師をしている。

フェスの出演を取りつけたもののテントステージの客足はまばら。もう音楽を辞めようかと自転車で帰る途中、太陽フレアの影響で全世界規模の12分間の停電が発生し、ジャックはバスに轢かれる。目覚めたのは、自分以外にはビートルズを知る者がいない異世界だった。ビートルズの楽曲を歌いジャックはスターダムにのし上がる。

トレインスポッティング』のボイル監督が描くロマンチックファンタジーミュージカルコメディ。掛け値無しに楽しめました。主人公が白人ではなく南アジア系、ローディ役がアフリカ系のジョエル・フライというキャスティングもよかったです。

パラレルワールドで、ビートルズだけではなくオアシスも消失しているのは、ビートルズの影響下にあることを強調しているのかも。ボイル監督は同じマンチェスター出身のギャラガー兄より一回り年上ですが、思うところがあるのでしょうか。一方、ローリング・ストーンズは存在しています。他に、ハリー・ポッターや煙草も消失しているのですが、その意図は上手く汲み取れませんでした。

他人の楽曲で売れたことに当然葛藤を持つ主人公の前に現れたビートルズを知るおそらく世界でたった2人がヲタクの鑑ともいうべき態度で心洗われるのと、エリーが本当に可憐で一途で愛おしくなります。

劇中で演奏されるビートルズの楽曲群は僕にはどうしても懐古的に聞こえてしまうのですが、それはおそらくビートルズの音楽に慣れ親しんでおり、且つビートルズに影響を受け更にアップデートされた音楽(例えばオアシス)も知っているからで、1960年代当時の耳にどれだけ斬新で画期的に響いたのか。

またサウンドトラックの選曲は、初期のレノン/マッカートニー混然一体な曲は別として、中期以降 "A Day In The Life" 以外はほぼポール・マッカートニー作品が選ばれています。ビートルズのソングライティングのわかりやすい革新性はポールによるものが大きかったのかな、逆にジョン・レノンは声と歌詞だな、と思いました。