「みんなサンシャインを聴きたい?」というエリック・クラプトンの呼びかけに熱狂で応えるオーディエンス。Gibson ES-335のフロントピックアップの角の取れたディストーションで特徴的なイントロを弾き始め、ジャック・ブルースがGibson SGベースで応えると満員の観客の熱気は最高潮に。
1968年11月26日火曜日、ロンドンのロイヤルアルバートホールで開催されたクリームの解散コンサートの記録映画です。元グレアム・ボンド・オーガナイゼーションのジンジャー・ベイカー(Dr)が元ヤードバーズ、元ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズのエリック・クラプトン(Gt)にバンド結成を持ちかけた際、クラプトンはジャック・ブルース(Vo/Ba)の加入を条件にした。
1966年7月にデビューしたクリームは、伝統的なブルースを electrifyし、inprovisationを演奏の中心に置き、僅か2年の活動期間、3タイトルのLP『フレッシュ・クリーム』(原題:Fresh Cream)、『カラフル・クリーム』(原題:Disraeli Gears)、『クリームの素晴らしき世界』(原題:Wheels of Fire)で大衆音楽だったRock'n'Rollをアートに押し上げた。クリームがいなければ、レッド・ツェッペリンもガンズ&ローゼズもメタリカも今日我々が聴いているような音楽にはなっていなかったと思います。
83分で9曲、1曲平均9分13秒。5曲がオリジナル曲、4曲がトラディショナルブルースのカバーですが、ライブに限ったことではなく、レコードでもそれぐらいの比率です。曲間に挿入されるメンバーのインタビューも面白い。ジャック・ブルースはクラシック音楽のチェリストを目指していた。バッハのベースラインに影響を受け、14歳で弦楽四重奏曲を作曲したが教師に酷評されてクラシックが嫌になった。エリック・クラプトンはギターのトーンコントロールとワウペダルの使い方(ウーマントーンという呼称を数十年ぶりに聞きました)、ジンジャー・ベイカーはツーバスの奏法やシンバルの使い分けなど、テクニカルな話をしています。それに続く"Toad"(邦題:嫌な奴)の10分超のドラムソロ(ライブ)。
このときクラプトンは23歳。1974年の『461 Ocean Boulevard』や大ヒットした1992年の『Unplugged』など枯れた味わいのシンガーとは真逆の粗削りなハードロック・ギタリストがそこにいます。リード・ヴォーカルは「クロスロード」以外はジャック・ブルース、MCはクラプトンです。
カメラは各メンバーの顔アップがほとんどで、3人が同時に画角に収まることがなく、また演奏する手元が見たい方には物足りないかもしれません。俳優パトリック・アランのナレーションは1968年の時代を写し、当時ロックが如何に大人たちに疎まれていたかがわかりますが、マーク・ボイルのサイケデリック映像と共にちょっと邪魔だな、と感じてしまいました。







