クレム(キャプシーヌ・サンソン=ファブレス)は10歳の小学生。両親と暮らすパリのアパルトマンの屋根裏部屋で生まれた子猫を見つけル―と名付ける。
親子3人はルーを連れて、車で5時間かけて森の別荘に出かける。両親は離婚を決めており、これが3人揃って過ごす最後のバカンスだった。
子猫がかわいい。子猫が主役の映画。冒頭15分はナレーションが1行入るだけで人間が登場しないです。カラカルやシロフクロウやイノシシのいる森は、都会生まれのルーには危険がいっぱいだが、野良の白猫と両想いのいい感じになったり、ルーの成長を中心に描かれる。飼い主の都合に左右される猫と両親の事情に翻弄される子どもが合わせ鏡の構図ですが、そこまで掘り下げてはいない。だったら完全猫目線のドキュメンタリーでいいのでは、『岩合光昭の世界ネコ歩き』があるじゃないか、とも思います。
クレムが「魔女」と呼ぶ、年間を通して老犬ランボーと森に暮らす老芸術家マドレーヌ(コリンヌ・マシエロ)がいい。劇伴がずっと鳴り続けていますが、せっかくの森のシーンは、自然音だけでも充分に音楽的ではないでしょうか。83分という上映時間はよかったと思います。
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