春の陽気。白山の名店JAZZ喫茶映画館にて3K13 ~A POETRY READING MEETS 3K~を開催しました。
新規感染者数は減少傾向にあるもののまだ予断を許さないなか、お越しくださいましたお客様、会場を提供してくださった映画館さん、どうもありがとうございます。おかげさまで良いライブになりました。
2000年に始め、途中12年のブランクを挟んで2018年に再開した、究極Q太郎(画像)、小森岳史、カワグチタケシの13回目の3Kは、帰る場所でありながら、数年ぶりに帰るとなんとも言えない気持ちになる、実家のような存在だと思います。
「人間は変わらないな」と小森さんがMCで言っていました。その通りでもあり、なくもあり。ただ、Qさんも小森さんも詩人として100%信頼に足る、その点は変わりません。両者とも新作の長編詩が素晴らしかった。小森さんのガルシア・ロルカ、Qさんのナボコフとルー・リード、カバー朗読にもふたりの良さが出ていました。
僕のセットリストを記録しておきます。
1. 糸杉と星の見える道 ―Billie Holidayに(新作)
2. 草上の昼食 ―Janis Joplinに(新作)
3. アテナイの学堂 ―Whitney Houstonに(改題)
4. 夜警 ―Billie Eilishに(改題)
5. ダスティン・ホフマン(小森岳史)
6. ソラ アリマス(究極Q太郎)
7. 月曜日であるその日には(ますだいっこう)
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8. 虹 20220226ver.
昨年末の「クリスマスの翌日に」につづき、制作中の連作詩「過去の歌姫たちの亡霊」からあらたに二篇披露しました。"それぞれが大切にしているであろうモノが美しくことばになった印象" といううれしいコメントを音楽をやっている友人からもらいました。終演後にビリー・ホリデイのレコードをかけてくれたマスター、ありがとうございます。
Qさんの「ソラ アリマス」は路地への視線がチャーミングでシンプルに好きな詩。今回のイベントフライヤーの写真をご提供いただいたますだいっこうさんの詩作品もご紹介しました。小森さんの「ダスティン・ホフマン」は記憶と対立について考察する散文詩。「個は対がなければ認識できない。国家が他の国家を通してでないと国家として存在できないように」という一節があり、今日読むべき詩として選びました。
また、クラマトルスク、ボリスピル、チュグエフ、ハリコフ、スムイ、マリウボリ、オデッサ、チェルノブイリ、キエフ。ロシア軍の攻撃を受けたと報道されているウクライナの地名を「虹」のコーダに織り込みました。
土地には固有の名称があり、ひとりひとりの暮らしがあります。動物も植物も鉱物も同じです。地名を声に出すこと、その声を聴き何かを感じてもらうこと、それも詩人の仕事だと僕は考えます。
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