舞台は世界恐慌前夜の好景気に沸く1928年の南仏コートダジュール。人気マジシャンのスタンリー(コリン・ファース)は、親類筋のセレブ母子に取り入るミネソタ出身の霊能者ソフィ(エマ・ストーン)のトリックを見破るために雇われる。敵対し、またそれぞれに婚約者がいるふたりが次第に惹かれ合っていく。
普通のコメディを上手に作っちゃったなあ、という印象。最近作でいえば「ミッドナイト・イン・パリ」や「ローマでアモーレ」みたいに、ウディ・アレン作品には、緻密で神経質な演出と名優たちの本気の芝居に支えられ、絶望感すら漂わせる振り切れた笑いをどうしても求めてしまいます。
海岸線をオープンカーでドライヴ中に突然の雨に打たれ、天文台で雨宿りする。主人公たちがはじめて心を通わせるシーン。ソフィ「宇宙の何が怖かったの?」、スタンリー「サイズ」。
気の利いた科白が随所にちりばめられているし、ヒロイン役のエマ・ストーンの大きなブルーの瞳は魅力的です。とにかくよく食べ、セーラーカラーのブラウスもシースルードレスも似合う。
ヒロインに求婚するセレブ息子ブライス(ハミッシュ・リンクレイター)がキャラ的には一番面白くて、隙あらば"You Do Something To Me"、"Thou Swell"などジャズの名曲をウクレレ弾き語りでヒロインに捧げます。
ヒロインに求婚するセレブ息子ブライス(ハミッシュ・リンクレイター)がキャラ的には一番面白くて、隙あらば"You Do Something To Me"、"Thou Swell"などジャズの名曲をウクレレ弾き語りでヒロインに捧げます。
「君が僕に何かした/何か僕を惑わすような/教えてそれは何?/催眠術か何かなの?」と歌うコール・ポーターの"You Do Something To Me"は映画のメインテーマにもなっており、歌詞がストーリー全体を象徴するような感じで効果的に使われています。ウディ・アレン作品としてはいつものことですが、上映時間が90分台というのも大変良いと思いました。
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