吉例朗読二人会、村田活彦とカワグチタケシの「同行二人」のお知らせです。畏れ多くも自らを芭蕉と曽良になぞらえてオトナ系男子二人の詩の道行き。
2010年春に深川から出発して谷中、白山、渋谷、吉祥寺、西へ西へと進み。いろいろあって、一昨年秋に深川に戻り再出発。1年半ぶりの今回は、浅草に程近いお洒落タウン田原町のセレクトブックストア Readin' Writin'さんにて開催します。
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同行二人#台東区寿二丁目 A POETRY READING SHOWCASE Ⅷ
Dōgyō-Ninin #2nd Ave. Kotobuki
日時:2018年4月28日(土) 18時半開場 19時開演
会場:Readin' Writin' BOOK STORE
東京都台東区寿2-4-7 03-6321-7798
http://readinwritin.net/
東京メトロ銀座線田原町駅1番出口左折、小松庵右折、
レモンパイ洋菓子店手前左側
料金:1,500円(御飲物代別途)
出演:村田活彦a.k.a.MC長老、カワグチタケシ
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Readin' Writin' BOOKSTORE さんは、清澄白河、馬喰町の次に来ると云われる注目スポット田原町に昨年4月にオープン、元木材倉庫をリノベーションした新刊書店です。大きなガラス窓から差し込む自然光に映える高い天井、広いロフトのある素敵なお店。棚作りも最高です。
3年ぶりの春開催に出演者ふたりとも張切っております。
ご予約は不要ですが「行くよ!」と言ってもらえると俄然モチベーションが上がります。オン・ザ・ロード・アゲイン。是非是非皆様お運びください!
2018年3月24日土曜日
2018年3月17日土曜日
TRIOLA a Live Strings Performance
聖パトリックの日の夕方、南口商店街は若者たちで賑わっていますが、通りを一本外れた静かな住宅街の入り口にその店はあります。下北沢leteへTRIOLA a Live Strings Performanceを聴きに行きました。
1曲目 "waves horn"、波多野敦子さん(作曲、5弦ヴィオラ)が登場すると手にしたのはヴィオラではなく、leteの木製の床に無造作に置かれた2機のトランシーバー。ホワイトノイズをヴィオラのピックアップに拾わせ、2機を近づけたり遠ざけたりしながらハウリング/共鳴させる。そこに重なる須原杏さんのメランコリックなヴァイオリンの旋律。ネオクラシカルとは一線を画すノイジーなアプローチはTRIOLAならでは。弦楽アンサンブルという形態をとりながら、そのアティテュードはノイズ/アンビエントを基調としたエクスペリメンタル・ミュージック。しかも体温と強靭なグルーヴがある。
三拍子のタンゴ「雨」。波多野さんの主旋律に対して杏さんの不等拍のリフは、メジャー/インディー問わず縦を揃えた音楽に慣れた耳には鮮烈に響く。緻密に作り込まれたスコアとそれをあえて逸脱するアーティキュレーション。音楽の心地良さは、甘美さや明晰さやメカニカルな精巧さとは異なる位相にも存在することを思い出させてくれます。
弓に張られた動物の体毛と樹脂が金属の弦に擦れるときに生じるノイズ。不協和音の美。木製の鳥小屋のようなleteと木製の共鳴胴を持つ二挺の弦楽器によるインスタレーションアートを鑑賞しているような感覚になりました。
波多野さんの「いろんな想いを込めて弾きたいと思います」というMCに導かれ演奏されたアンコールの"coral"。2011年4月に当時神楽坂にあったギャラリーうす沢(オーナーの臼澤裕二氏は津波で甚大な被害を受けた岩手県大槌町出身)でtriolaと共演した東日本大震災復興支援チャリティライブ re:generations(仮)で、この曲に乗せて「都市計画/楽園」をリーディングした僕にとっても特別なナンバー。
波多野敦子さんのソロアルバム "Cells #2" のレコ発が4/18(水)、次のTRIOLA a Live Strings Performanceは5/25(金)。いずれもleteで開催とのこと。楽しみです。
1曲目 "waves horn"、波多野敦子さん(作曲、5弦ヴィオラ)が登場すると手にしたのはヴィオラではなく、leteの木製の床に無造作に置かれた2機のトランシーバー。ホワイトノイズをヴィオラのピックアップに拾わせ、2機を近づけたり遠ざけたりしながらハウリング/共鳴させる。そこに重なる須原杏さんのメランコリックなヴァイオリンの旋律。ネオクラシカルとは一線を画すノイジーなアプローチはTRIOLAならでは。弦楽アンサンブルという形態をとりながら、そのアティテュードはノイズ/アンビエントを基調としたエクスペリメンタル・ミュージック。しかも体温と強靭なグルーヴがある。
三拍子のタンゴ「雨」。波多野さんの主旋律に対して杏さんの不等拍のリフは、メジャー/インディー問わず縦を揃えた音楽に慣れた耳には鮮烈に響く。緻密に作り込まれたスコアとそれをあえて逸脱するアーティキュレーション。音楽の心地良さは、甘美さや明晰さやメカニカルな精巧さとは異なる位相にも存在することを思い出させてくれます。
弓に張られた動物の体毛と樹脂が金属の弦に擦れるときに生じるノイズ。不協和音の美。木製の鳥小屋のようなleteと木製の共鳴胴を持つ二挺の弦楽器によるインスタレーションアートを鑑賞しているような感覚になりました。
波多野さんの「いろんな想いを込めて弾きたいと思います」というMCに導かれ演奏されたアンコールの"coral"。2011年4月に当時神楽坂にあったギャラリーうす沢(オーナーの臼澤裕二氏は津波で甚大な被害を受けた岩手県大槌町出身)でtriolaと共演した東日本大震災復興支援チャリティライブ re:generations(仮)で、この曲に乗せて「都市計画/楽園」をリーディングした僕にとっても特別なナンバー。
波多野敦子さんのソロアルバム "Cells #2" のレコ発が4/18(水)、次のTRIOLA a Live Strings Performanceは5/25(金)。いずれもleteで開催とのこと。楽しみです。
2018年3月11日日曜日
絵のない絵本
3.11から7年が経ちました。小田急線で下北沢へ。Workshop Lounge SEED SHIP で開催されたアンデルセン『絵のない絵本』全夜上演会の第二夜に行きました。
ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805-1875)はデンマークの童話作家。代表作は「人魚姫」「赤い靴」「マッチ売りの少女」。民間伝承に着想を得たグリム童話やイソップ童話とは異なり、彼の作品はほとんどがオリジナルストーリーです。教訓的でなく、バッドエンドが多い。
『絵のない絵本』は孤独な貧しい絵描きに月が毎夜語りかける33篇の物語。童話というよりも大人向けに書かれた短編小説集という趣きです。そのうち第16話「道化師の恋」から33話「五人兄弟」までを朗読と音楽と映像で構成した3時間弱のプログラムです。
ステージ向かって左から、西田夏奈子さん(朗読、ヴァイオリン)、shezooさん(ピアノ)、蔵田みどりさん(朗読、歌)、相川瞳さん(パーカッション)、加藤里志さん(サックス)。
33篇に1曲ずつshezooさんが手掛けたオリジナルスコアと3人(時々4人)の演奏は、全体のトーンとしては控えめですが、物語を際立たせるように時折強く響かせる。
写真には映っていませんが、西川祥子さんの映像は物語の最も印象的な場面を捉えています。古い洋書のページを線香で焼いて描く手法は、一見モノクロームですが、焦げや古紙のくすみがノスタルジックでエキゾチックな物語の表現に重層性を加えています。
複数の訳者による日本語訳のテキストが150年の歳月に濯がれた完成度の高いものとはいえ、観客の集中力を3時間途切れさせない朗読の技術は流石です。地の文と会話と、朗読と台詞と歌唱と、それぞれに異なるプロトコルがあると思うのですが、場面場面もしくは楽器演奏とのトータルバランスあるいは会場の空気を感じ、即興的に使い分けているという印象を持ちました。
「西の空にふたつの月が浮かぶ。ひとつは昼の月、もうひとつは夜の月」。西田夏奈子さんが白、蔵田みどりさんが黒の衣裳で、西田さんがうっすら霞んだ昼の月、蔵田さんが眩しい夜の月、という感じがします。重心が低く端正な響きの西田さんの声と名詞に関西のイントネーションが混じる華やかな蔵田さんの声の対比と重なりも面白かったです。
ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805-1875)はデンマークの童話作家。代表作は「人魚姫」「赤い靴」「マッチ売りの少女」。民間伝承に着想を得たグリム童話やイソップ童話とは異なり、彼の作品はほとんどがオリジナルストーリーです。教訓的でなく、バッドエンドが多い。
『絵のない絵本』は孤独な貧しい絵描きに月が毎夜語りかける33篇の物語。童話というよりも大人向けに書かれた短編小説集という趣きです。そのうち第16話「道化師の恋」から33話「五人兄弟」までを朗読と音楽と映像で構成した3時間弱のプログラムです。
ステージ向かって左から、西田夏奈子さん(朗読、ヴァイオリン)、shezooさん(ピアノ)、蔵田みどりさん(朗読、歌)、相川瞳さん(パーカッション)、加藤里志さん(サックス)。
33篇に1曲ずつshezooさんが手掛けたオリジナルスコアと3人(時々4人)の演奏は、全体のトーンとしては控えめですが、物語を際立たせるように時折強く響かせる。
複数の訳者による日本語訳のテキストが150年の歳月に濯がれた完成度の高いものとはいえ、観客の集中力を3時間途切れさせない朗読の技術は流石です。地の文と会話と、朗読と台詞と歌唱と、それぞれに異なるプロトコルがあると思うのですが、場面場面もしくは楽器演奏とのトータルバランスあるいは会場の空気を感じ、即興的に使い分けているという印象を持ちました。
「西の空にふたつの月が浮かぶ。ひとつは昼の月、もうひとつは夜の月」。西田夏奈子さんが白、蔵田みどりさんが黒の衣裳で、西田さんがうっすら霞んだ昼の月、蔵田さんが眩しい夜の月、という感じがします。重心が低く端正な響きの西田さんの声と名詞に関西のイントネーションが混じる華やかな蔵田さんの声の対比と重なりも面白かったです。
2018年3月4日日曜日
ノラバー日曜生うたコンサート
急に気温が上がり、着て行く服を迷うほど。そんな沈丁花の香りが風に乗って届く3月4日ミシンの日、日曜日の午後。私鉄は郊外に向かいます。西武柳沢ノラバーで毎週開催されている『日曜生うたコンサート』にて、カワグチタケシ2018年春の朗読ワンマンライブでした。
直前までなかなかゆったりした予約状況だったのですが、前日当日にご連絡をいただき、ふたを開ければ満員御礼。皆様どうもありがとうございました!
1. Here, There, And Everywhere / The Beatles
2. Doors close soon after the melody ends
3. 世界の渚
4. コインランドリー
5. チョコレートにとって基本的なこと
6. バースデーソング
7. 森を出る
8. ケース/ミックスベリー(新作)
9. 名前
10. スターズ&ストライプス
11. 永遠の翌日
12. 新しい感情
13. 観覧車
14. 水玉
15. 花柄
16. Thank You / The Pale Fountains
テーマは Winter into Spring。3月といえばどうしてもあの震災のことを思い出します。それで当初予定していなかった「バースデーソング」をセットリストに加えました。御来場特典の訳詞集 "sugar, hpney, peach +love4" に収録の10曲のうち2曲をオープニングとエンディングに置き。
「世界の渚」を5年ぶりに朗読しました。「ケース/ミックスベリー」はライブ2日前に出来たばかりの新作、「名前」「スターズ&ストライプス」「永遠の翌日」もまだ活字では発表していない作品です。
僕の書く詩はどちらかといえば硬質な語彙で、構成や音韻もある程度かっちりしているためか、ライブも割合ソリッドな空気感になることが多いのですが、今回は導入のトークからふんわり春らしい雰囲気を作ることができたように思います。MCでも言いましたが、ライブは出演者だけでなく、お客様もスタッフも全員で創る時間。「みんなに助けられて」とはよく聞く台詞ですが、今回ほどそれを実感したことはありません。
そしてノラバーといえば店主ノラオンナさんの素晴らしいお料理。ポテトサラダ、玉子焼き、大根油揚げ巻き。人気の定番メニュに加え、胡瓜の白胡麻おひたし、うどの酢味噌和え、菜の花ごはん。ほろ苦さって春の味覚だな、と思います。ハイボールも進み、楽しいおしゃべりが夜更けまで続きました。
直前までなかなかゆったりした予約状況だったのですが、前日当日にご連絡をいただき、ふたを開ければ満員御礼。皆様どうもありがとうございました!
1. Here, There, And Everywhere / The Beatles
2. Doors close soon after the melody ends
3. 世界の渚
4. コインランドリー
5. チョコレートにとって基本的なこと
6. バースデーソング
7. 森を出る
8. ケース/ミックスベリー(新作)
9. 名前
10. スターズ&ストライプス
11. 永遠の翌日
12. 新しい感情
13. 観覧車
14. 水玉
15. 花柄
16. Thank You / The Pale Fountains
「世界の渚」を5年ぶりに朗読しました。「ケース/ミックスベリー」はライブ2日前に出来たばかりの新作、「名前」「スターズ&ストライプス」「永遠の翌日」もまだ活字では発表していない作品です。
僕の書く詩はどちらかといえば硬質な語彙で、構成や音韻もある程度かっちりしているためか、ライブも割合ソリッドな空気感になることが多いのですが、今回は導入のトークからふんわり春らしい雰囲気を作ることができたように思います。MCでも言いましたが、ライブは出演者だけでなく、お客様もスタッフも全員で創る時間。「みんなに助けられて」とはよく聞く台詞ですが、今回ほどそれを実感したことはありません。
そしてノラバーといえば店主ノラオンナさんの素晴らしいお料理。ポテトサラダ、玉子焼き、大根油揚げ巻き。人気の定番メニュに加え、胡瓜の白胡麻おひたし、うどの酢味噌和え、菜の花ごはん。ほろ苦さって春の味覚だな、と思います。ハイボールも進み、楽しいおしゃべりが夜更けまで続きました。
2018年2月25日日曜日
グレイテスト・ショーマン
三寒四温。ユナイテッドシネマ豊洲でマイケル・グレイシー監督作品『グレイテスト・ショーマン』を観ました。
19世紀初頭の米東海岸。フィニアス・バーナム(ヒュー・ジャックマン)は貧しい仕立屋の息子。出入りしていたお屋敷の令嬢チャリティ(ミシェル・ウィリアムス)に恋をする。チャリティは寄宿舎に入れられ、フィニアスは父の急死で孤児に。スリや万引きでなんとか糊口をしのぎながら、途絶えることなくチャリティに恋文を書き続ける。
という小さなロマンスは冒頭10分で成就し、妻となったチャリティとのあいだに二女をもうけたものの失業したバーナムはマンハッタンに露悪趣味な私設ミュージアムを開く。幼い娘の一言にヒントを得て始めたフリーク・ショーが大人気となり、英国ヴィクトリア女王に召喚されるまでになったが、バズればおのずとアンチが増える。
セレブレーション・オブ・ヒュマニティ。小人症、巨人症、多毛症、アルビノ、アンドロギュヌス、全身タトゥ、有色人種。ショーのキャストたちがみな魅力的に描かれています。金儲けのために見世物にした側面は否めませんが、マイノリティたちから目を逸らすことしかしない社交界の面々よりも、彼らに居場所と仲間と仕事を提供したことも確か。
それだけに、バーナムに裏切られたと思ったときのレティ(キアラ・セトル)たちの落胆と怒りをプライドに昇華した "This Is Me" はこの映画のハイライトのひとつ。また、アフリカ系の曲芸師アン(ゼンデイヤ)と劇作家フィリップ(ザック・エフロン)の切ない恋のサブストーリーも効いています。
ゴージャスな衣裳とセット、ダイナミックなカメラワーク、キレのあるダンス。ミュージカル映画の王道をテンポよくタイトに100分でまとめました。『ラ・ラ・ランド』のベンジ・パセックとジャスティン・ポールの作曲チームが手掛けた音楽は『ラ・ラ・ランド』のジャジーなソフトロックテイストとは事なり、こちらも王道のポップスです。
スティーブン・ミルハウザーの短編小説集『バーナム博物館』は、同作家の『イン・ザ・ペニー・アーケード』『エドウィン・マルハウス』と並んでかつて夢中になって読んだ作品です。あれから僕もずいぶん大人になって、こんなかたちで再会するとは思ってもみませんでした。
19世紀初頭の米東海岸。フィニアス・バーナム(ヒュー・ジャックマン)は貧しい仕立屋の息子。出入りしていたお屋敷の令嬢チャリティ(ミシェル・ウィリアムス)に恋をする。チャリティは寄宿舎に入れられ、フィニアスは父の急死で孤児に。スリや万引きでなんとか糊口をしのぎながら、途絶えることなくチャリティに恋文を書き続ける。
という小さなロマンスは冒頭10分で成就し、妻となったチャリティとのあいだに二女をもうけたものの失業したバーナムはマンハッタンに露悪趣味な私設ミュージアムを開く。幼い娘の一言にヒントを得て始めたフリーク・ショーが大人気となり、英国ヴィクトリア女王に召喚されるまでになったが、バズればおのずとアンチが増える。
セレブレーション・オブ・ヒュマニティ。小人症、巨人症、多毛症、アルビノ、アンドロギュヌス、全身タトゥ、有色人種。ショーのキャストたちがみな魅力的に描かれています。金儲けのために見世物にした側面は否めませんが、マイノリティたちから目を逸らすことしかしない社交界の面々よりも、彼らに居場所と仲間と仕事を提供したことも確か。
それだけに、バーナムに裏切られたと思ったときのレティ(キアラ・セトル)たちの落胆と怒りをプライドに昇華した "This Is Me" はこの映画のハイライトのひとつ。また、アフリカ系の曲芸師アン(ゼンデイヤ)と劇作家フィリップ(ザック・エフロン)の切ない恋のサブストーリーも効いています。
ゴージャスな衣裳とセット、ダイナミックなカメラワーク、キレのあるダンス。ミュージカル映画の王道をテンポよくタイトに100分でまとめました。『ラ・ラ・ランド』のベンジ・パセックとジャスティン・ポールの作曲チームが手掛けた音楽は『ラ・ラ・ランド』のジャジーなソフトロックテイストとは事なり、こちらも王道のポップスです。
スティーブン・ミルハウザーの短編小説集『バーナム博物館』は、同作家の『イン・ザ・ペニー・アーケード』『エドウィン・マルハウス』と並んでかつて夢中になって読んだ作品です。あれから僕もずいぶん大人になって、こんなかたちで再会するとは思ってもみませんでした。
2018年2月9日金曜日
わたしの好きをおはなしします vol.2
高田馬場で西武新宿線に乗り換え西武柳沢へ。今年からノラバーで木曜夜に始まったトークショー『わたしの好きをおはなしします』、第2回目の今夜は池袋の古書往来座の店員さんで、フリーペーパー『名画座かんぺ』の発行人でもあるのむみちさん。
彼女と初めて会ったのは2014年10月、白山のJAZZ喫茶映画館さんで。元ハンセン病患者の詩人塔和子さんのドキュメンタリー映画『風の舞』の上映&朗読会でした。
「私がなんでこうなってしまったか」。東京の名画座ファンなら知らない人のいない『名画座かんぺ』。都内の旧作邦画上映館の1ヶ月の上映スケジュールとコラムにミニコーナー。B4コピー用紙両面が手書きの文字でびっしり埋められています。
古書店のお客さんに勧められて旧作邦画のDVDを観始めた2008年当初は「テンポ悪いなって思ったり、寝ちゃったり」していたという。
勤務先から近い新文芸坐にためしに入ってみたあたりから、ずぶずぶとはまり込んでいき、年間300本以上観るほどに。自身の観賞予定をカレンダーに書き入れるのが至福の時だった。ある日ひらめいて2012年1月に『名画座かんぺ』を創刊。当初200部のコピーだったものが、徐々に話題を呼びメディアにも取り上げられて評判になりました。
というセルフヒストリーから始まり、話題は昭和の名老け役飯田蝶子に対する濃過ぎる愛へ。けっして流暢ではないが熱のある語り口、楽しい話になると大きく口を開けて笑う。好きなもの、好きなことについて話す人はそれだけでなんと魅力的なのでしょう。
カウンター席を埋めた同好の猛者たちも各々の贔屓筋のこととなると黙ってはおられず、あれこれ掛け合いが始まる。僕はどちらかというと洋画育ちなのでディテールに入ってしまうとわからないことも多いのですが、それでも大層面白い。度を越した愛情はシンプルに最高のエンターテインメントです。
そんなこんなで夜は更けて、初対面のお隣さんとも仲良しに。ノラバー開店から半年で念願のノラ婆カレー(フルサイズ)とハイボール、店主ノラオンナさん(画像左)お手製のアイスクリームを堪能し、幸せな気持ちでまた西武新宿線に乗りました。
彼女と初めて会ったのは2014年10月、白山のJAZZ喫茶映画館さんで。元ハンセン病患者の詩人塔和子さんのドキュメンタリー映画『風の舞』の上映&朗読会でした。
「私がなんでこうなってしまったか」。東京の名画座ファンなら知らない人のいない『名画座かんぺ』。都内の旧作邦画上映館の1ヶ月の上映スケジュールとコラムにミニコーナー。B4コピー用紙両面が手書きの文字でびっしり埋められています。
古書店のお客さんに勧められて旧作邦画のDVDを観始めた2008年当初は「テンポ悪いなって思ったり、寝ちゃったり」していたという。
勤務先から近い新文芸坐にためしに入ってみたあたりから、ずぶずぶとはまり込んでいき、年間300本以上観るほどに。自身の観賞予定をカレンダーに書き入れるのが至福の時だった。ある日ひらめいて2012年1月に『名画座かんぺ』を創刊。当初200部のコピーだったものが、徐々に話題を呼びメディアにも取り上げられて評判になりました。
というセルフヒストリーから始まり、話題は昭和の名老け役飯田蝶子に対する濃過ぎる愛へ。けっして流暢ではないが熱のある語り口、楽しい話になると大きく口を開けて笑う。好きなもの、好きなことについて話す人はそれだけでなんと魅力的なのでしょう。
カウンター席を埋めた同好の猛者たちも各々の贔屓筋のこととなると黙ってはおられず、あれこれ掛け合いが始まる。僕はどちらかというと洋画育ちなのでディテールに入ってしまうとわからないことも多いのですが、それでも大層面白い。度を越した愛情はシンプルに最高のエンターテインメントです。
そんなこんなで夜は更けて、初対面のお隣さんとも仲良しに。ノラバー開店から半年で念願のノラ婆カレー(フルサイズ)とハイボール、店主ノラオンナさん(画像左)お手製のアイスクリームを堪能し、幸せな気持ちでまた西武新宿線に乗りました。
2018年2月3日土曜日
ロマンス談義
昨年6月のレコ発ライブ "THE SPACE WE LIVE BY" 以来、約半年ぶりに聴いたカンナさんの歌声が力強く、深緑色のフローラルプリントのアンティークワンピースを着てステージに立つ姿は自信に満ちており、現在の充実ぶりを窺わせる内容です。
カンナさんは思索の人。対象を定義し、文献をあたり、自己の解釈を提示する。控えめでありながらポジティブに、相対する人たちの生き方を肯定する。二部構成の前後半それぞれで朗読された「ロマンスについて」「ロマンについて」の2篇の自筆エッセイを聴いて、そんな印象を持ちました。
それはいくつかの曲の歌詞にも共通しています。モーリス・メルロー=ポンティ、ジャン=ポール・サルトル、ミシェル・フーコーという20世紀の偉大な思想家たちに問いかける「ものごと」。「わたしは誰?」ではなく「わたしはどこ」という存在論的疑問は、相対的且つ客観的でありながら自己消失の危うさも同時に表現している。
ラテンのリズムで夏の情景を歌っても、雪国育ちだからでしょうか。北欧的な趣きがあります。カンナさん自身のmicroKORG、有澤太郎さんのテレキャスター、ウエグチサトシさん(画像左)のベースとエレガットは品良く的確。そして出しどころ引きどころを完璧にわきまえたドラムスUさんのプロフェッショナリズム。SONOR社製小口径ドラムキットのやや軽めのキック音もマレットワークも箱のサイズとカンナさんの音楽にフィットしていました。
キリンジ、E,W&F、BO GAMBOS、小沢健二。4人のメンバーそれぞれが選曲して持ち寄ったカバーは逆にユルく、オリジナル曲との緩急の流れを作る。A.C.ジョビンの「イパネマの娘」をカンナさんが訳した日本語詞もロマンティックで美しかったです。
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