2026年3月28日土曜日

ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。

薄雲り。TOHOシネマズ錦糸町オリナス田口トモロヲ監督作品『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』を観ました。

Based on true events. ユーイチ(峯田和伸)は売れないカメラマン。東京で食い詰めて福島の農家を手伝っていた。養豚場の糞の搬出業務の休憩中にトランジスタラジオからSEX PISTOLSの "God Save The Queen" が流れるのを聴き雷に打たれたようになった。

そして再度上京。音楽雑誌の表3にミニコミ誌「ロッキンドール」の手書きの広告を見て購読料を現金書留で送ると、ぺらぺらの手書きコピーのリーフレットが届き、発行人サチ(吉岡里帆)のイラスト入りの手紙には、パンクバンドTOKAGEが渋谷屋根裏に出演すると記してあった。屋根裏の椅子席はまばらだったが、TOKAGEのフロントマンのモモ(若葉竜也)の鬼気迫るライブパフォーマンスとひとり立ち上がってふらふらと踊る少女、ライブハウスの妖しい熱気に今まで感じたことのない何かを見て、ユーイチは一心にシャッターを切る。

舞台は1978~1982年。インディーズという言葉もなかった時代に六本木S-KEN STUDIOのライブイベント『東京ロッカーズ』に集ったバンド、リザードFRICTION、次の世代のザ・スターリンZELDAなど、新しいロックを創造しようとした若者たちの青春群像劇をリアルタイムで当時の熱気を知る田口トモロヲ監督が撮った作品は、制作陣も俳優陣もオリジネーターたちへのラヴ&リスペクトに溢れた気持ちの良い映画です。上記の主人公3人以外にも、軋轢のDEEP(FRICTIONのREC)の間宮祥太郎、解剖室の未知ヲ(ザ・スターリンの遠藤ミチロウ)役の仲野太賀も大熱演。ロボトメイアのカヨコ(ZELDAのサヨコ)を演じた中島セナさんもよかったです。

僕的ハイライトは、自らレーベルを立ち上げ、第一弾となるTOKAGEのシングル盤がサチの実家の印刷屋に納品された深夜、モモの実家ROXY HOUSEまでシャッターの下りた商店街を爆笑&疾走するユーイチとサチ。吉岡里帆とじゃれ合いながら全力でダッシュしたらそりゃもう楽しかろうよ。

1979年、オムニバス盤『東京ロッカーズ』リリース時、僕は13歳。現代で言うところの厨二病をしっかり患っており、貸レコード屋でLP盤を借りてカセットにダビングして聴いていました。なかでも「最高にイカしたダンスバンド」FRICTIONは別格で1st『軋轢』は今聴いてもざわざわします(中学生にはパンク系のライブは敷居が高かったので、生演奏を聴いたのは恒松正敏脱退後の4人編成になってからです)。リザードは当時はそれほど推していなかったのですが「サ・カ・ナ」「ガイアナ」など映画を観ながら歌詞をなぞれる自分にびっくりしました。

十代の多感な時期に僕が最もライブに通ったのは、突然段ボールPerspective期のP-MODEL、20歳前後だとユーイチが映画の最後に立ち上げるTELEGRAPHレーベルから派生したヴェクセルバルクSADIE SADS有頂天筋肉少女帯、田口監督のばちかぶり、などナゴム系もよく観に行っていました。当時の新宿ロフトの市松模様の床が再現されていたのもアツかったです。

 

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