「静かに燃える炎をみんなで見つめているような時間にできたらいいなと思います」と始まった2024年3回目で最後の単独公演は加藤エレナさんのコンストラクティブなピアノの左手のベースラインが印象的な「茶の味」が一曲目。
この日唯一のアップテンポ曲「残る人」のアウトロに入る際に井上 "JUJU" ヒロシさんが湯舟に浸かったように「あ゛ー」と声を上げる。そしてJUJUさんのフルートとエレナさんのピアノのスリル溢れるコレスポンダンス。「sakanagumo」の歯切れい良いピッコロ。
Chiminさんの歌も「住処」のコーダで転調後のリフレインの繊細なボイスコントロール、「午後」や「夜」のロングトーンの息を呑むような透明感、歌詞のワードセンスが抜群なうえに、オリジナル曲もカバー曲も一語一語をしっかり確実に手渡そうという姿勢がある。谷川俊太郎作詞の「死んだ男の残したものは」の「平和ひとつ」という一言に乗せる思いも心に迫るものがありました。
2023年11月にライブ活動復帰以来、2024年は全7公演を聴くことができましたが、今回のStringsのワンマンライブは、Chiminさんの歌の表現力とサポートの2人の強固なミュージシャンシップの相乗効果によって、2024年のベストアクトになったのではないでしょうか。
もうひとつうれしかったのは、昨年の復帰後は歌に専念していたChiminさんのギター弾き語りが聴けたこと。在日コリアン3世という自身のルーツに向き合った「アリラン」のハングル語原詞カバーは10年程前にSEED SHIPでも歌ってくれた曲です。JUJUさんやエレナさんのようにわかりやすい上手さではないのですが、その歌声同様に一音一音を丁寧に鳴らすChiminさんのギターが僕は大好きです。
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