さりな(稲垣来泉)は小児がんで宮崎県総合病院に入院している。アイドルグループB小町の絶対的センターであるアイ(齋藤飛鳥)を推すことを生きる力にしてきたが、病の前に力尽きてしまう。その死を看取った研修医のゴロー(成田凌)はアイの魅力にはまりオタクになる。
産婦人科医になったゴローの元に事務所の社長壱護(吉田鋼太郎)に連れられて診察に訪れるアイは世間に隠して双子を妊娠している。アイの陣痛が始まった夜、病院に忍び込んだ不審者を追ったゴローは崖から突き落とされて死ぬ。アイは無事に出産したが、男女の双子にはゴローとさりなが転生していた。
アクアとルビーと名付けられた双子と共に東京に戻ったアイはB小町に復帰する。東京ドーム公演の朝、マンションを訪ねてきた男にアイは刺され、アクアの前で息絶える。
赤坂アカ原作、横槍メンゴ作画の人気コミックの実写化です。劇場版の主人公はアクア(櫻井海音)ですが、新生B小町のルビー役、元イコラブの齊藤なぎさの脇を固める有馬かな役原菜乃華、MEMちょ役あのが好演しているほか、成田凌、吉田鋼太郎、尾美としのり、要潤、金子ノブアキ、倉科カナ、二宮和也ら、脇役陣の重厚な芝居で成立させた感があります。
転生というファンタジー要素、復讐劇というサスペンス要素を下敷きに、最も紙幅を割いているのが、アイドルビジネス、恋愛リアリティショー、2.5次元舞台(実写版では月9連ドラ)制作など、芸能界の内幕なのですが、実写劇場版では映画制作のさわり以外ほとんど描かれません。サブタイトルの通り、物語を終わらせる機能に徹しているため、あらかじめAmazon Prime実写ドラマもしくはアニメ第2期までを観ておくとよいでしょう。
新生B小町のステージシーン、特に有馬かな卒業公演の完成度が高く、感動的です。3人のメンバーでひとりだけ現実世界でアイドル経験のない原菜乃華さんが、元天才子役でアイドルグループのセンター有馬かなとして輝いているのは、相当な努力をしたんじゃないかと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿