志摩リン(東山奈央)は名古屋のしゃちほこ出版で営業部から編集部に異動になりタウン誌『しゃちほこさんぽ』の記者をしている。高校の同級生で野外活動サークル(通称:野クル)の部長だった大垣千明(原紗友里)から「今、名古屋にいるのだが」というLINEを受け取る。千明は東京のイベント企画会社を辞めて地元に帰り、やまなし観光推進機構に勤めている。
酔った勢いでタクシーを飛ばし夜明け前に着いた先は山梨県南巨摩郡富士川町高下の青少年自然活動センター跡地。東京のアウトドアショップに勤める各務原なでしこ(花守ゆみり)、横浜でトリマーになった斉藤恵那(高橋李依)、地元山梨の鰍沢で小学校教員をしている犬山あおい(豊崎愛生)。高校時代のキャンプ仲間に声を掛け、理想のキャンプ場作りが始まる。
終始ローテンションな一匹狼のリンを主人公に置いたことがこのシリーズの成功要因かもしれません。熱血な千明も天真爛漫ななでしこもリンの領域には無理に踏み込まない。温厚なあおいとマイペースな恵那。5人がゆるくつながるときに生じるチルで優しい空気。
なでしことあおいが中心になって作る食欲をそそるキャンプ飯の数々は社会人になって予算に余裕が出て食材も調味料も充実しています。一方で、なでしこが勤め先に初めて来店した女子高校生に「最初は泊まらなくてもいいし、焚き火して食事はインスタントでも楽しいですよ」というアドバイスも真理を突いている。
キャンプで三食作って食べて片付けてを全部やるとそれだけで一日費やしてしまいます。登山や川遊びやおしゃべりやハンモックにのんびり揺られる時間を作るには、カップ麺やレトルトに頼っていい。
劇場版ならではの背景の細やかさも。松竹映画の富士山から劇中の夕暮れの富士山のシルエットにモーフィングして、花火が上がるオープニングが最高です。
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