2022年6月11日土曜日

私はワタシ over the rainbow


HIV陽性者ネットワークJaNP+代表でご自身もHIVポジティブをカミングアウトしていた長谷川博史さんが2022年3月7日に69歳の若さでお亡くなりになられました。

ゲイ・アクティヴィストの側面と並行して長谷川博史さんは、髭のドラァグクイーン・ピンクベア>として女装詩の朗読パフォーマンスをされ、僕も何度も共演したり、僕が編集委員をしていたフリーペーパーPOETRY CALENDAR TOKYOに寄稿していただいたり、生前大変お世話になり、またリスペクトしています。

彼をフィーチャーした、LGBTQ、セクシャルマイノリティのドキュメンタリーフィルム『私はワタシ over the rainbow』の追悼上映会を開催したいと、さいとういんこさんから相談され、協力を即答しました。

上映前に、いんこさんは今日のために書いた追悼詩を、僕はピンクベアさんの詩作品「visible/物言えぬ者の存在証明」と「熊夫人の告白2/血の問題」の2篇を朗読しました。

映画はその「熊夫人の告白2/血の問題」をライブ会場で朗読する車椅子のピンクベアさんから始まります。同性愛者、性転換者、無性自認者、その家族、50数名のインタビューで構成され、一言で性的少数者と言っても様々な志向と立場と感覚と考え方があり、ひと括りにはできないし、すべきではない、共存の可能性に向き合うことの重要性を伝えていると感じます。

異性愛者で選挙に行かない人がたくさんいるように、性的少数者でもセクシャリティを表明しない人のほうが圧倒的に多いはず。スクリーンに映る50数名はけっして少ない人数ではないですが、その背後には声を上げない数百万人の少数者が(国内だけでも)存在していることも忘れてはならない。

国際交流NGOピースボートの通訳Matt Douglasさんの「僕はゲイでセクシャルマイノリティ、日本では外国人としてマイノリティだけど、オーストラリアに帰れば(白人として)マジョリティに属する。誰もが複雑なアイデンティティを持つことを認識し合えば、どのマイノリティにも優しくなれる」という言葉が僕には一番響きました。

  

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