2022年4月21日木曜日

ノラオンナ56ミーティング ~ララルー~

雨の夜。吉祥寺STAR PINE'S CAFEで開催された『ノラオンナ56ミーティング ~ララルー~』に行きました。

ノラバー店主であり、ノラオンナレコード代表、いつもお世話になっているノラオンナさんのデビュー日である4月21日に毎年開催されるアニバーサリー・ライブは、一昨年、昨年と配信になりましたが、3年ぶりに会場で生演奏を楽しみました。

1曲目は "Stay Home"。そして「無邪気なふたり」「薔薇色パラッパ」「君とデート」とバリトンウクレレの弾き語りが続き、アルバムタイトル曲「ララルー」から水ゐ涼さんのリリカルなピアノが加わる。

前作『めばえ』と最新作『ララルー』といういずれも小品を中心とした組曲的アルバムを再構成した一部。コロナ禍1年目の2020年に制作された4枚の私家盤 "NORA BAR BOOK" のCD-R盤制作のお手伝いをした記憶が蘇ります。2020年春は誰もが暗中模索、試行錯誤中でしたが、夏、秋、冬と季節が進むにつれ、コロナ禍における表現手法を確立してきたのは、同世代のノラさんも例外ではありませんでした。

橋本安以さんのヴァイオリンと古川麦さんのフレンチホルンとノラさんのウクレレと歌による中盤の三重奏はエストニアの作曲家アルヴォ・ペルトの宗教曲のような佇まい。ミニマルな響きの中に不安定な陰影が潜んでいます。

二部の冒頭は『ララルー』レコーディングメンバー7人による驚愕のダンスで観客の度肝をユルく抜き、音源とは真逆の生楽器演奏によるファンキーな「梨ちゃんソング」で幕を開ける。港ハイライトのメンバーでもある柿澤龍介さん(Dr)、藤原マヒトさん(Ba、Syn)におきょんさん(Per)が加わったリズムセクションは時折エレクトロニカ的アプローチを交え、水ゐ涼さん、橋本安以さん、古川麦さんの上モノがフレッシュに躍動するゴージャス&ウォームなフルバンドサウンドで祝祭的に盛り上げる。

僕がはじめてノラさんの音楽に触れたのは2012年3月。下北沢Workshop Lounge SEED SHIPで開催されたPoemusica Vol.3で共演したときでした。あれから10年。一度短く切った髪はあのころのように腰まで届く長さに伸びました。

56歳になったいまも変化し続けながら、根底にある旋律の美しさと研磨された言葉を変わらず追求している。その姿勢をリスペクトしており、またこれからどんな歳の重ね方をされるのかとても楽しみです。

 

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