エウレカ・サーストン(名塚佳織)は、情報生命体スカブ・コーラルが人間と対話するために作り出した人型のコーラリアン。自らもスカブを生成する能力を持っていたが、前作『ANEMONE』を最後にその力は失われた。
それから10年の時を経た2038年、24歳になったエウレカは独立師団無任所部隊A.C.I.D.(アシッド)の人型戦闘ロボットKFL(Kraft Light Fighter)を操る特殊戦闘員として、その恐れを知らないバトルスタイルから「鋼鉄の魔女」と呼ばれるようになった。
『ハイエボリューション1』『ANEMONE』に続く劇場版三部作の完結編にあたる本作で、エウレカの任務は少女アイリス(遠藤璃菜)を敵から救助し護衛すること。そしてかつてのエウレカと同じ特殊能力を持つアイリスとの逃避行が始まる。
前二作と比較してカウンターカルチャー、特に英国RAVEカルチャーに対するオマージュの度合いは低い。そのかわりRolandがスポンサーについたことでブランドロゴが頻出し、A.C.I.D.の管制室のコンソールのデザインはTR-606、TB-303そのものです。統合政府軍の戦闘ロボットの名称ラブレスはMy Bloody Valentineからか。その他に、白くまアイスや森永製菓の甘酒缶を登場人物が飲食するカットがありました。
このシリーズは設定が複雑で時間軸が並行し展開が早く情報量が多いため、とかく難解で本筋が見えにくいと言われがちですが、現実世界の訳の分からなさと比較したらそんなものじゃないかな、という感じがします。そもそも現代の映画観客の価値観が「わかりやすさ」に偏重し、理解できないものを排除する傾向に危機感を覚えるので、わからなさと美を両立させ、且つバイダイナムコや森永製菓、Rolandはじめメジャーなスポンサー企業を得て完結させ制作陣に賛辞を贈りたいと思います。
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