普段ライブでお世話になっているSEED SHIPオーナーの土屋さんから「夏にワークショップ的なことをやってみないか」と持ちかけられたときに最初に考えたのがこの句会でした。
俳句は座の文芸。匿名で投句した自作の俳句をランダムに清記して読み上げ、気に入った作品を選んで発表し、ひとしきり評が出揃ったところで作者が名乗りを上げる。投句や選句の数、特選並選など様々なローカルルールが適用されることもありますが、基本はこれだけ。シンプルな遊びです。
選は創作なり。人の作品をわがことのように讃え、その素晴らしさを解説する。そこには、近代以降の文芸が自我への拘泥により失ってしまった共同体による創作が生き続けているのです。とまあ、小難しく言えばそうなりますが実際は、超短いポエムを好き勝手に解釈して、誉めたり貶したり、笑いの絶えないのがフィクショネス句会です。これは進行をつとめる小説家藤谷治氏の反権威的エンタメ精神によるものも大きい。
何気なく作った句に点数が入れば良句に思えてきたり、意外な解釈に作者自身が驚いたり。フィクショネス時代のOBOGに新しい参加者も加わり、爆笑に次ぐ爆笑の2時間でした。
第7回本屋対象最終候補作『船に乗れ!』三部作のほか、『世界でいちばん美しい』、『船上でチェロを弾く』など音楽小説・エッセイも手がける藤谷氏が、開始前にエリック・サティのピアノ曲をポロポロと弾きました(画像参照)。聴き慣れたSEED SHIPのピアノですがクラシック音楽が演奏されるのを聴いたのは初めてだと思います。
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