2012年12月1日土曜日

あすあづ&もぐらが一周するまで with TOGI☆LIVE!!

空気が乾燥してきました。風邪をひいたりしていませんか? 12月最初の土曜日は外苑前のギャラリーneutron tokyoへ。三尾あすか&三尾あづち 双子の姉妹展 2012 with friends 「Somewhere in nowhere ~どこでもないどこか~」に伴って開催されたライブペイントを観に行ってきました。

もぐらが一周するまで」はギタリスト佐藤亘氏の大量のエフェクターにつながれたフェンダーテレキャスターとトギリョウヘイ氏のジャンベ、シェイカーによるアナログ・チルアウト・ミュージック。Vini Reillyをもっと現代的にシャープにした感じといえばいいのかな。その演奏に乗せて姉妹がギャラリーの壁面に絵を描く約60分のライブパフォーマンス。

まず妹のあづちさん(左利き)が油性マジックで部屋のパースペクティブのような斜線を引き、仮定された床に赤いしみが広がる。姉のあすかさんは植物の生長を床面から上方へと伸ばします。そして幅の広い刷毛に持ち替えて、鮮やかな色彩と面が加わり、おばけ、骸骨、十字架、恐竜。危ういキャラクターが現われては塗りつぶされるうちに生じる激しい混沌。

あづちさんがアクリルを塗りこめ、そこにあすかさんが文字を重ねることで全体に秩序を与え、混沌を収束させていく。ふたりともとにかく手が速く、ライブならではのスピード感と偶発性を多分に感じさせる。協力というよりも対話のなかで衝突と和解を繰り返すような。

いままで彼女たちの完成した作品しか観たことがなかったのですが、あの透明な謎に満ちた色彩の重層は、このようなプロセスを経て誕生するのだ、ということがわかったのはうれしい発見。また、描くふたりの動きに無駄がなく、まるでコンテンポラリーダンスのような美しさがあります。

「あづが手のひらで描きはじめたのが可笑しくて、笑っちゃって」と、終演後にあすかさんが自身も笑いながらおっしゃっていました。実際描いているあいだも、時々小さな声で会話があり、しかめつらや笑い声もある。

今回のライブで特に印象に残ったのは、画幅に言葉を描き込むことによってパフォーマンスを終わらせたところ。エンドロールのような役割もあるのだとは思いますが、寡黙なふたりがその内側に押し込めたイメージを線や色彩だけでなく言葉(文字)も用いて表出させていることに現代性を強く感じました。

関西で活躍する新しい美術作家を紹介してきたneutron tokyoですが、ギャラリーとしての機能を今年末で一旦終了させるそうです。たくさんの素晴らしい作品・作家との出会いに、この場を借りて感謝したいと思います。



2 件のコメント:

  1. かわぐちさん!
    今日はありがとうございました!
    ブログ大変嬉しく、なんだか読んでいて涙がでました。。。
    わたしたちも緊張しながらも楽しく気持ちよくかけました!
    また色々お話できたら嬉しいです。
    本当にありがとうございました。

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  2. こちらこそ、ブログを読んでくださってありがとうございます。
    コメントもうれしいです。

    今朝になっていろいろ書き足りないことが出てきましたが、
    自分のなかですこしあたためてみようかな、と思っています。

    今日が展示最終日ですね。たくさんの人に観ていただけますように。

    京都への帰り道お気をつけて。

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