フィンランドの首都ヘルシンキ。業務用スーパーのレジ係アンサ(アルマ・ポウスティ)は一人暮らしのアパートメントで夕飯の弁当をレンジにかけるが、容器が溶けてゴミ箱行き。ウクライナに侵攻したロシア軍がマリウポリとクレメンチュクを攻撃したニュースがラジオから流れる。
金属部品のリサイクル工場勤務のホラッパ(ユッシ・バタネン)は勤務中も隠れて酒を飲んでいる。ある夜、アンサとホラッパはカラオケバーで出会う。後日映画館で再会し、お互いを意識する二人。ホラッパが連絡先のメモを紛失して会えなくなる。その矢先、アンサはホームレスの青年に賞味期限切れ廃棄食品を提供したことで、ホラッパは業務時間中の飲酒による事故により、ほぼ同時期に解雇される。
フィンランドの巨匠による枯れた味わいのあるロマンチック・コメディ。隣国ロシアとウクライナの紛争を背景に、すれ違いまくる中年男女の感情の機微を淡々と描いています。カリウスマキ監督の演出の独特の間。役者たちは表情も動きも声量も抑えられている。そのことによって主人公二人が時折見せる微かな感情の動きがより際立ちます。
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