2020年2月8日土曜日

詩詞奮人

東京メトロとJR線を乗り継いで西千葉へ。およそ35年ぶりに降り立った街は佇まいがほとんど変わってないように見えます。駅前に千葉大学があり、その存在感が大きいせいかもしれません。

千葉大から道路を挟んですぐ近く、カフェ平凡で開催された詩と詞のライブ『詩詞奮人』第10回に出演しました。ご来場のお客様、共演の沼田謙二朗さん(画像)、主催川方祥大さん、オープンマイクご参加の舟虫/TAP/GAMAKATSUさん、カフェ平凡さん、どうもありがとうございました。

昨年10月に予定していた日程が台風19号の上陸により延期になったものですが、どのアクトからも今日のライブに対するコミットメントが強く感じられ、またそれがおのおのの良さを活かした方法で表現さており、お客様にもあたたかく受容していただけて、結果高揚感のあるライブになったと思います。

40分の持ち時間で下記の作品を朗読しました。

ANOTHER GREEN WORLD
新しい感情
Doors close soon after the melody ends
・日々の美(石渡紀美
音無姫岸田衿子
都市計画/楽園
・永遠の翌日
吉本隆明
・白木蓮(新作)

偏見、差別、殺戮、死体、腐乱、埋葬といった強めのワードを持ち、普段のライブでは終盤の山場に置くことの多い長尺の詩篇を、あえてかためて前半にもってきました。後半はカバー多めのセットです。

「日々の美」はプリシラレーベルで現在制作中の石渡紀美さんの新詩集『「ママは、ばらの花がすきだな」と彼女は言った。』収録作品。手のひらにのるような本当に美しい一篇。

1月に越谷で沼田謙二朗さんにはじめてお会いしたときに好きな詩人とおっしゃっていた吉本隆明の初期の代表作「恋唄」三篇。それに対して僕が好きだと挙げた岸田衿子の散文詩を朗読しました。どちらも1950年代、会場の家屋が建った頃に書かれた作品です。

先週書いた新作「白木蓮」は、越谷のライブで沼田さんが歌った「三千年紀の鳥」の歌詞の一部を引用しています。ソネットの14行中、4行が沼田さんの言葉です。

書棚に囲まれて朗読するのは一番好きなシチュエーション。石油ストーブの燃える匂いが三角地に建つ築60年余の元蕎麦屋の木造建築に満ちてとても懐かしい気持ちになりました。

遅ればせながら2020年の初ライブとなりました。ありがたいことに今年も楽しみなライブが既にいくつか決まっています。詳細は都度お知らせいたします。どうぞよろしくお願いします。


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