金曜の夜、満員の京王井の頭線に乗って。下北沢leteへTRIOLAの演奏を聴きに行きました。
TRIOLAは、波多野敦子さん(作曲、5弦ヴィオラ)と須原杏さん(ヴァイオリン)による弦楽アンサンブル。杏さんのボウイングによる「キラル11」のイントロの一音目から圧が強く、重心の低いグルーヴ感も僕が聴いたTRIOLAのなかでは一番でした。
2曲目「ミラーボールの暴走」冒頭部分の脱臼感のあるデコンストラクティブなアンサンブルも強烈で、耳に入ってくる空気の振動を頭のなかで組み立て直すような、従来のクラシック音楽にはないエクスペリメンタルな感覚。
7年ぶりの2nd(そして現体制になって最初の)アルバム "Chiral" の発売を3/22に控えているということでlete限定の先行販売があったのですが、ライブの構成もアルバムの曲順に沿って、1曲毎にコメントを添えて演奏するという進行です。
いままで数字で識別されていた楽曲にタイトルがついて、アルバム全体としてストーリーが構成されました。スペイシーなピーター・グリーナウェイといった趣向の物語もさることながら、物語を凌駕する音楽自体の豊かさが溢れるライブでした。
アルバム未収録の2曲、"waves horn" のノイズから立ち上る優美な旋律、 "Yellow Boys" の細かい点を穿ち続けていつのまにか面を構成しているような不可逆性。カオスとリリカルと幻聴。TRIOLAのライブには「音楽って体験だな」と実感させられる何かがあります。
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