オルタナ・ボッサとも形容されるThe Xangos。ノスタルジックでメローなブラジル音楽をベースにしながら、そんなことにはおかまいなしに逸脱しまくる中西文彦さんのギターは、ブルースに軸足を置いて革新的なロックンロールを創造していった初期The Rolling StonesにおけるBrian Jonesを思わせます。
ボーカルのまえかわとも子さんが、広い声域と5~6種類の声質を使い分け、自由奔放にメロディを紡いでいくさまは、生命そのもの。すこし天然の入ったチャーミングなMCと唄い出したときの神々しいまでのオーラのギャップ。
そして、七弦ギターとバンドリンでタイトかつ繊細かつパッショネートに、脇をがっちり固める尾花毅さん。この理想的なアンサンブルに、1970年代初期に関東学院大学セミナーハウスから発祥した湘南サブカルチャーのひとつの結実を見た思いです。枠にはまらない、なんてよく言いますが、枠にはまったアートがその枠をはみ出さずにはいられないときの爆発的な熱量にかなうものはないのかもしれない。なんて考えながら。
それでも3人の奏でるリズムは終始心地良く、それに身を委ね、眼の前でふつうに起こる化学反応にハッとしたり、甘いメロディにうっとりしたり。2曲のアンコールを含め全15曲を堪能しました。
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