2012年7月19日木曜日

Poemusica Vol.7

午前中はよく晴れていましたが、午後から曇って急に気温が下がりました。ライブのときは結構な荷物なので、涼しいのは助かります。そんな七月第三木曜日。下北沢Workshop Lounge SEED SHIPで"Poemusica Vol.7"が開催されました。

アカリノートさんはギター弾き語り。会うのはこの日が2度目です。井の頭公園で定期的にベンチライブを演っていて、この3日前の7月16日にも開催されることをTwitterで知り、同じく吉祥寺であったThe Xangosライブの前におじゃましました。よく晴れた夏の午後、木漏れ日の中にひろがる澄んだ歌声。気持ち良いひとときでした。その声がSEED SHIPのサウンドシステムを通すと、よりクリアに優しく響きます。動物に気持ちを投影した歌詞もロマンチック。

田野崎文さんはピアノ弾き語り。長身にインディゴブルーのワンピースが良く似合う。ショートカットのおでこをきりっと出して、裸足で歌います。和テイストを強く感じさせる北国の旋律。「その手でブルーのワンピース着せて/周りはあじさいでいっぱいにしてね」と自身の葬送を歌う「あじさい」など、良い意味で文学少女的な歌詞。実は2000メートル級にもがんがん登っちゃう山ガールなのですが、フィジカルな強さと文学性とをバランス良く持ち合わせた方なのだと思います。

アカリさんと文さんは同い年で、出身地が鹿児島と北海道。Little Woodyと僕は関東出身。そんな4人が今回はひとつのテーマを決めて作品を持ち寄りました。

先月Poemusica Vol.6を観に来てくださった文さんと終演後にそんな話になって、僕が持っていたファイルに自分で歌詞を翻訳したものがいくつか入っていたなかで、彼女が「これで」と決めたのが、The Bee-Geesの"Melody Fair"。映画『小さな恋のメロディ』の主題歌です。

ふたりのミュージシャンはこの歌詞を全く違うメロディに乗せてくれました。「人生は雨には似ていないよ/メリーゴーランドみたいなもの」と、高3文系男子が2年後輩の女子を爽やかに諭すみたいな(笑)アカリさん。「君は僕だけの女の子」と純愛仕立てのスローバラードにした文さん

Little Woodyは、この歌の少年性を純粋に抽出したような実写映像作品を作ってきてくれました。まぶしい日差し。踏切。田んぼのあぜ道。笹舟レース。ファンタオレンジ。ノスタルジックな色調が原曲に映えて、とても素敵でした。

僕も何かひと工夫と思い立って、前日にブレイク・ビーツを作りました。The Bee-Geesの原曲のアレンジは歌詞に合わせて、雨音をハンドクラップ、星座のまたたきをグロッケンシュピール(鉄琴)で表現しているのですが、そのハンドクラップ部分をループさせて。

同じテーマだからこそ、相違点と共通点が浮き彫りになる。作って演じている僕たちも楽しかったけれど、客席のみなさんにもその楽しさはお伝えできたのではないでしょうか。あとで聞いたらみんな前日か当日に作ったみたいで、まさに夏休みの宿題(笑)。でも、瞬発力っていうのは優れた表現者には欠かさざる素養なんだな、と。もちろん普段の積み上げあってのことと思いますが。

さて、次回Poemusica Vol.8は8月16日(木)にSEED SHIPにて開催。Little Woodyと僕。 河内結衣さん島崎智子さん、そしてVol.7につづいて田野崎文さんが出演します。平日だとなかなかね、という方でも、夏休みですので、この機会に是非。真夏の下北沢でお待ちしています!

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