1970年代後半、大英帝国スコットランドの小都市グラスゴー。十代のアラン・マッギー(レオ・フラナガン)はデイヴィッド・ボウイに憧れ、妹の化粧品でメイクしてラケットをギター代わりに自室で踊っているところを父親(リチャード・ジョブソン)に見とがめられる。
テレビに映ったセックス・ピストルズに衝撃を受け、街角で新聞売りをしているときに声をかけてきたボビー・ギレスピー(キアラン・ロウレス)、同級生のアンドリュー・イネス(ジャック・ピーターソン)とパンクバンド The Drainsを結成する。
The Jesus and Mary Chain、Primal Scream、My Bloody Valentine、Teenage Fanclub、Oasisを見出したクリエイション・レコーズ代表アラン・マッギー(ユエン・ブレムナー)がインタビューで当時を回想するという設定のノンフィクションムービー。冒頭に「ほとんど実話だが、犯罪者保護のため変えた人名もある」と案内があり、登場人物は役者が演じていますが、音楽は実際の音源を使用しています。
ミュージシャンではなく裏方を主役に据えているわけですが、マッギー自身、Primal Screamの前身となったThe Drains以降、The Laughin' Apple、Biff Bang Pow!等のバンドで演奏しており、レーベルの初期スタッフはTelevision PersonalitiesとThe Timesのメンバーが務めている。
僕自身はクリエイションより一世代前のラフ・トレードや4AD、ファクトリーがジャストな世代ですが、クリエーションには前述のビッグネーム以外にもいいバンドが多数いて、The LoftやThe Wheather Prophetsなんか好きだったな。
ダニー・ボイル製作総指揮らしいドラッグ・ムービーでもあり、ありとあらゆる薬物に手を染めたマッギーは自宅トイレでアレイスター・クロウリーの幻影に怯える。クリエイションの株式をソニーに売却した後の英国労働党に傾倒したマッギーと監督ニック・モラン自身が演じるマルコム・マクラーレンの初老の男ふたりが公園を散歩し、マルコムが「すべての創造と文化は退屈への反作用だ」と説くシーンにしみじみ。
フリーメーソン会員の父親役を同郷の先輩バンド The Skidsのボーカリスト、リチャード・ジョブソンが演じているのも熱いです。
0 件のコメント:
コメントを投稿