11月最後の日曜日、下北沢へ。CLUB251にて開催された IIOT presents "magic hour" に行きました。
IIOT(アイアイオーティ)は、ヴォーカル/キーボードのエリーニョさんを中心に結成された新バンド。ギター 石川ユウイチさん(ANIMA / The eri-nyo Quintet)、ベース オギノ祥弌さん(ANIMA)、ドラムス 高橋ケ無さん(SOUR / Paris death Hilton)の4人組で、この日が初披露。エリーニョさんが3月に出したCDブック "urion" に2曲収録されている演奏が恰好良くて、楽しみに待っていたデビューライブでした。
ソーシャルディスタンスを意識して普段客席として使用されるフロアに半月型に配置されたバンドセットから放たれる音楽は、既にYouTubeで公開されている "Song 1" "夜の街" のMVのメロウでアーバンなサウンドとは異なり、バキバキにハードエッジです。
デビューとはいえ経験も実力もある4人の演奏はきれいにまとめようと思えばまとめられるものをあえて生のまま差し出している。"夜の街" に象徴されるコロナ禍の世界に対する不安、抑圧、愛情、希求がないまぜのMixed Up Emotionを提示しているように感じました。
特に音の抜き差しが自在でアイデアに溢れ且つソリッドに縦ノリな高橋ケ無さんのドラムプレイがIIOTの音の肝だと思います。豪放磊落なCUICUIのRuì Suì Liuさんといい、知的で冷静なThe eri-nyo Quintetのヨシカワタダシさんといい、エリーニョさんのリズムセンスは抜群だと思います。
共演のmothercoatはしいて例えれば James Blake meets 井上陽水といった風情のデュオ。サンプリングされたブレイクビーツと手弾きのベースの重低音の不協和音が心地良いチルアウトミュージック。
ステージを2人のダンサーが躍動する。Yuko Tohyamaさんはコンテンポラリー、Eisakuさんはハウス風味のタップとスタイルは異なりますが、眼前で鍛えられた生身の人間が踊る姿はやはり胸を打ちます。
「身体性」というのが、この日 "magic hour" でエリーニョさんが僕たちに示したかったテーマではないでしょうか。
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