2020年11月27日金曜日

ホテルローヤル

秋の終わりの金曜夜。TOHOシネマズ日比谷武正晴監督作品『ホテルローヤル』を観ました。

第149回直木賞を受賞した桜木紫乃短編小説集を実写映画化。釧路湿原にぽつんと建つ雅代(波瑠)の両親大吉(安田顕)るり子(夏川結衣)が経営するラブホテル。従業員のミコ(余貴美子)と和歌子(原扶貴子)は創業時から20年近く勤務している。

幼い頃から同級生にラブホの娘とからかわれ家業を嫌っていた雅代だが、札幌の美大受験に失敗しホテルの仕事を手伝いはじめる。母るり子は若い恋人(稲葉友)と失踪、父大吉は深酒し元妻のところに入り浸り帰ってこない。

土砂降りに打たれて担任の野島(岡山天音)と雨宿りのためにホテルの部屋に入る親に捨てられた女子高生まりあを演じる伊藤沙莉がとてもいい。錆びついたホテルの死んでいるような登場人物たちのなかで彼女が登場すると画面が生命力に溢れ活気づきます。

しかし、まりあはホテルの部屋で3日間を過ごし野島と心中してしまう。葬式帰りの熟年夫婦(正名僕蔵内田慈)のエピソードは唯一の救いか。心あたたまりました。

松山ケンイチ演じるアダルトグッズの営業マン宮川の立ち居振る舞いが滅茶苦茶格好良く、原作者の理想を擬人化したキャラクターではないか思います。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿