第149回直木賞を受賞した桜木紫乃の短編小説集を実写映画化。釧路湿原にぽつんと建つ雅代(波瑠)の両親大吉(安田顕)るり子(夏川結衣)が経営するラブホテル。従業員のミコ(余貴美子)と和歌子(原扶貴子)は創業時から20年近く勤務している。
幼い頃から同級生にラブホの娘とからかわれ家業を嫌っていた雅代だが、札幌の美大受験に失敗しホテルの仕事を手伝いはじめる。母るり子は若い恋人(稲葉友)と失踪、父大吉は深酒し元妻のところに入り浸り帰ってこない。
土砂降りに打たれて担任の野島(岡山天音)と雨宿りのためにホテルの部屋に入る親に捨てられた女子高生まりあを演じる伊藤沙莉がとてもいい。錆びついたホテルの死んでいるような登場人物たちのなかで彼女が登場すると画面が生命力に溢れ活気づきます。
松山ケンイチ演じるアダルトグッズの営業マン宮川の立ち居振る舞いが滅茶苦茶格好良く、原作者の理想を擬人化したキャラクターではないか思います。
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