2020年3月1日日曜日

架空OL日記

映画の日。ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場で、住田崇監督、バカリズム脚本・主演『架空OL日記』を観ました。

「月曜日の朝はみんないつもより性格が悪い」。11月25日、地方銀行の東京郊外の支店勤務の主人公「私」の月曜のモーニングルーティンから始まる。スマホのアラームで目覚め、トイレのドアを足で閉め、バナナを食べ、化粧をして家を出る。主人公を演じるのはバカリズムで、衣装は婦人服だが、メイクも髪型も声色も男性のまま。

「いまのうちらに必要なのは、真実じゃなくて矛先だからさ」。上映時間の半分以上は、同期のマキちゃん(夏帆)、先輩行員の酒木さん(山田真歩)と小峰様(臼田あさ美)、天然な後輩サエちゃん(佐藤玲)と女子更衣室で繰り広げられる5人の会話劇です。女子同士は空気を読み合いつつ役割を演じ、男性行員には容赦がない。

21世紀の土佐日記。OLたちの日常を毒気のある視点で描くバカリズムの脚本がリアルで、息苦しくなりそうなところを、女装の中年男が演じることで巧みにファンタジー風味に転換しているのと、いろんな方向性の女子のガサツさ、ズボラさが魅力的に撮られていて救われます。

主要キャスト5人に加え、『ブルーアワーにぶっ飛ばす』に続き夏帆(左利き)と共演したシム・ウンギョン、主人公の高校時代の同級生役の志田未来、仕事は出来るが何かちょっとズレてる課長役の坂井真紀もよかったです。

日記なので、基本的にバカリズムのモノローグによって進行しますが、最後の最後に来る設定の反転を説明する科白がなくて、エンドロールのスマホ動画に吉澤嘉代子さん主題歌のアコースティックバージョンを重ねてくるところなんか上手いなあ、と思いました。


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