2017年1月2日月曜日

ポッピンQ

今年も三賀日は映画館へ。一年の始まりを一人で暗闇で過ごす儀式のようなものです。2017年最初の一本に、ユナイテッドシネマ豊洲宮原直樹監督作品『ポッピンQ』を鑑賞しました。

主人公伊純(声:瀬戸麻沙美)は高知市立桂浜中学校陸上部の3年生。怪我を押して出場した100m走の引退試合で自己ベストを出せなかったことを後悔している。卒業式の朝、砂浜で「時の欠片」を拾ったことで異世界へ導かれる。

そこは時の谷。あらゆる並行世界の時間を司るポッピン族の国。時の種が失われたためキグルミに侵略されつつある。そこで出会ったそれぞれに鬱屈を抱えた中3女子5名。彼女たちがダンスを踊ることで世界を救うことができると長老は言う。

東映アニメーション60周年記念作品制作ということで、プリキュアシリーズとの関連性を指摘する声も多いようですが、予告編を観たときに、まど☆マギけいおんラブライブを混ぜたようなアニメなのかな、と思いましたし、本編を観た感想もだいたいそんな感じです。

制服⇒バイオスーツステージコスチューム、どれもカラフルかつ優しいトーンでまとめられ、主人公たちの同位体としてポッピン族は愛らしくいつでも彼女らを裏切らない。異世界の街並みや山脈の鳥瞰とカメラに向かって走ってくる伊純のクローズアップ。複雑な設定、異世界のルール。モーションキャプチャーと3DCGを駆使したバトルアクションとダンスシーンのダイナミックなカット割り。95分という尺に詰め込まれた情報量の多さには感心させられますが、主人公たちの鬱屈の掘り下げが浅く、気持ちの変化が急過ぎるように感じました。

しかしながら、その感情の揺れや感化され易さ、浅さ、そのものが思春期特有のスピード感ともいえるため、もしかしたら主人公たちと同世代もしくはもっと若い21世紀生まれの観客はきちんと感情移入できる作りなのかもしれません。冬休みなので、小学生の女の子とお父さんという組み合わせも客席に多く、何か心温まるものがありました。

そういうターゲティングであればジャストなのだと思いますが、「勇気のダンス」「奇跡のダンス」の2曲ともピート・バーンズDEAD OR ALIVE)追悼トリビュートかってぐらいユーロディスコ寄りのビートで振りも1980年代的です。続編が作られるのなら、高校生になった5人のダンスは更に高みを、一足飛びに渡辺直美レベルは無理でも、できればPerfumeあたりを目指してもらいたいものです。

 

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