クリマスソングが流れる師走の商店街を歩いて。祖師ヶ谷大蔵 Cafe MURIWUI にて開催された『港ハイライト1stアルバム「抱かれたい女」プチレコ発 ~クリスマスディナーライブ~』に行きました。
港ハイライトは、ノラオンナさん(作詞作曲/ Vo/Ukulele)、柿澤龍介さん(Dr/Per)、藤原マヒトさん(Ba/Key)の3人組バンド。その3人に古川麦さん(Vo/Gt/Tp/etc)をフィーチャーした4人で制作し、7月にリリースされた1stアルバムが『抱かれたい女』。
更に今夜は、くものすカルテットのワタナベエスさん(Ba)をサポートに迎えてのスペシャルなディナーショーです。会場に入ると厨房にノラさんと柿澤さん。アサノラの人気メニュと柿澤さんのナポリタン。メンバー2人が料理したプレートをワタナベエスさんが客席に運び、マヒトさんがウェルカムドリンクをサーブする。みなさん玄人筋では知らぬ人のいない一流ミュージシャンです。
そして「お食事のBGMに」とノラさんと麦くんのデュオ演奏。The Beatles "Here, There And Everywhere" という意外性あるカバーに始まり、Antônio Carlos Jobimの"Corcovado"、「Green Tarquoise」「流れ星」他、2人の代表曲に、なかにし礼訳"We're All Alone"まで40分、本編と見まごうばかりのクオリティ。この導入部だけで歳末らしいファン感謝祭的サービス精神が満載ですが。
短いインターバルを挟んで始まったアルバム全曲を収録順に演奏する本編がそれを軽く凌駕するものでした。チャコールグレーのニットワンピースからロイヤルブルーのサテンドレスに着替えたノラさんがダークスーツの4人の男たちを従える姿は清々しいまでの格好良さ。レコードのアレンジを基盤に置きつつ、オーバーダブのないライブならではの緊迫感と遊び心溢れる演奏に男女ボーカル。普段の抑制されたスイートネスだけでなく絞り出すようにワイルドな一面も聴かせる麦くんの歌唱。ノラさんの確信に満ちた歌声。
MCで明かされた『抱かれたい女』制作中の仮題が「踊りませんか?」だったということに象徴されるように、場末を描くブルーズも、軽やかなワルツも、スローなバラードも、カオスに転じたアンコールも、港ハイライトの音楽はダンスミュージックなのです。音楽って、歌うって、そうことだよな。と感じました。このアルバムのフライヤーにレビューを寄稿させてもらえたことを光栄に思います。
これが僕の2016年のライブ納め。このブログも今年最後の更新です。おかげさまで良い一年になりました。どうぞみなさま良いお年をお迎えください。
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