NY、ワシントンDCで起きた大規模な自爆テロ攻撃から15年が経った今日。東京は細かい雨が降ったり止んだり。ユナイテッドシネマ豊洲で新海誠監督作品『君の名は。』を鑑賞しました。
1200年ぶりの彗星がまもなくやってくる2013年9月のこと。カルデラ湖畔の小さな町の町長の娘で神社に住む女子高生宮水三葉(声:上白石萌音)が、ある朝目覚めると、都立高校に通う男子立花瀧(声:神木隆之介)と身体と精神の組み合わせが入れ替わっている。
大林宣彦監督の『転校生』をはじめ、入れ替わり物語は多々ありますが、きっかけにフィジカルコンタクトを伴わず、且つ短期的可逆性が生じるものは目新しいのかな、と思います。なにより主人公ふたりが最後の最後まで出会わないのと、地理的な距離に加えて、時間軸のギャップが設定を重層的にしています。
会わないけれども、クラウド上(もしくはモバイル端末内)で情報共有することで、入れ替わりの事実を徐々に受け入れ、生活になるべく支障がないように気をまわすのが現代的。美濃太田行の電車に乗るシーンがあるので、三葉の暮らす町はJR高山線沿線でしょうか。オープニングの雲を割いて落下する流星群から、ラストの階段(目白台?)まで、風景描写は終始美しく、物語は儚い。
劇中RADWIMPSの音楽をはじめてまとめて聴きましたが(4曲ほぼフルサイズでかかります)、いい声ですね。「君の名をいま追いかけるよ」という主題歌の歌詞。2004年に書いた「声」という詩で似たレトリックを使用しております。
エンドロールにプロデューサーとしてクレジットされている市川南氏は卒業後一度も会っていませんが学習院大学の同学年で、僕がいた現代詩研究会とは部室が斜向いの映像文化研究会出身です。美少年だった市川くんもいまや東宝の取締役。『シン・ゴジラ』の製作も手掛けているので、この夏はさぞ大忙しだったことでしょう。
この方覚えてますー。
返信削除すれ違う度に足が細くてまっすぐだなあって思ってました。シネフィルだったんですね。
いまや押しも押されもせぬ大プロデューサーです。才能もあったし努力もしたんだろうな、と思います。
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