7月下旬、涼しい土曜日。渋谷7th FLOOR「古川麦 7inch "Seven Colors" 発売記念ワンマンライブ『七七七』」に行ってきました。
弾き語りソロ、関口将文さんやノラオンナさんとのデュオ、弦楽トリオ、ちみんさんとannieくんのトリオ、表現(Hyogen)、港ハイライトなど、いろいろな編成の麦くんのライブを聴きましたが、リズムセクションが入るフルバンド編成は実は初めてでした。
コーラスをループさせたジャジーなアレンジの "Coming Of The Light" からソロで3曲、ピアノ谷口雄さん(ex.森は生きている)、ウッドベース千葉広樹さん(Kinetic)、ドラムス田中佑司さん(ex.くるり)の強力なバッキングを得て、更にチェロ関口将文さん(JA3POD)、ヴァイオリン田島華乃さんが繊細な色彩を添える。
段階的に演奏者が増えていくストップメイキングセンス形式で、ラストの"Seven Colors"まで全14曲90分の本編に、宮沢賢治の「星めぐりの歌」、初めて作った曲「Summer Song」のアンコールという構成。そして会場DJをつとめた藝大の同級生KAZUHIRO ABOさんに促され小沢健二の「大人になれば」で客席は大盛り上がりでした。
メンバー間の信頼関係の深さが音楽に如実に表れている。部室で男子たちが先輩後輩混じってわちゃわちゃしている僕の好きな感じもあり、唯一の女子である華乃さんが「これだから男子って、、」みたいな感じで若干距離を置いて大人っぽく見守る姿もまた一興。
トレードマークのハットと眼鏡はあえて避けたのか。麦くんが元から持っている誠実さも几帳面さも知性も小生意気な青さもバンドサウンドによってフィジカルに躍動する。7th FLOORのステージのレッドカーテンから連想させる、たとえばヴェガスのショーに出しても全く見劣りしないぐらい、音楽そのものの力で満員の観客を魅了する一流のエンターテインメントに仕上がっています。
美しく正確なギターのパッセージはバンドのグルーヴに溶け込んでしまいますが、それを聴きたいときはソロやデュオのライブに行けばいいし、むしろそういった意味でも多彩な才能を確認したライブでした。
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