2015年12月29日火曜日

石塚明由子「Hello, my sister」発売記念演奏会

年の瀬のターミナル駅の雑踏を抜けて。吉祥寺Stringsへ。石塚明由子さんの1stソロアルバム「Hello, my sister」レコ発ライブを聴きに行きました。

新譜の全曲に加えて未発表の新曲、vice versaのナンバーや、ジャズの箱を意識したスタンダード曲も。年末の高揚感にレコ発ということも加わって、楽しいライブになりました。

12月2日に発売されたCD「Hello, my sister」は静かな名盤です。優しく丁寧につま弾かれるGibsonのアコースティックギターとナチュラルでありながら耳に残る心地良い発声。シンプルな構造の音楽ですが、初めて耳にする新鮮な旋律が随所に散りばめられています。

ライブで聴くとよくわかるのですが、石塚さんはギターも歌声も音量が小さい。でもその静謐さの中に強靭な意志が宿っている。

そして何かの終わりにきちんと向き合うまなざし。幸せな瞬間を描いていても、どこかで終わりを予感しているような歌詞には、恋愛だけではなく、いろいろなものを見送ってきた人が持つ静かな諦観があります。

「永遠じゃないから 美しいんだね」と歌う「エンドロール」を1stアルバムの1曲目に置いていること、今日のライブで演奏された3つのカバー曲のひとつが細野晴臣の「終わりの季節」であることに象徴されるように。

CDの共同プロデューサーでもある須藤ヒサシさんWATER WATER CAMEL)のウッドベース、vice versaのマツオケンイチさんのギター、妹尾美穂さんのピアノというレコーディングメンバーによる勘所を押さえたサポート。妹尾さんのピアノのきらきらころころした音色も素敵でした。


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