2015年7月11日土曜日

ガラクタの城

2日続きの晴天で東京は真夏日に。新高円寺STAX FREDmueさんの弾き語りワンマンライブ「ガラクタの城」。自宅で歌っているみたいなのが理想の弾き語りというmueさん。普段とは一味違う雰囲気の2部構成です。

冒頭の数曲は、得意の複雑で華麗なギタープレイを封印して、ベース音のシングルノートをエイトビートで刻む。それが逆に音楽の骨格を際立たせて聴かせる。「愚痴っぽい? 文句っぽい歌詞を聞かせるのは悪いかな、と思って」普段あまり演奏しない曲を中心に。

不満や理不尽な想いをポジティブに昇華してポップに仕上げるmueさんのソングライティングに隠されている(が微かに滲み出してしまう)エッジはこういう反骨心で出来ているのか、という確認。

昨年4月のワンマンライブ以来のループマシン使いもこなれて、ギターのリフとボイスパーカッションのタイムが合わずステージ上でリアレンジする場面も。彼女生来の音楽的瞬発力の強さに加え、ミュージシャンの脳内や試行錯誤の過程を覗く面白さがあります。

ライブはいつも明確なコンセプトを持って作り込み、バンドセットも弾き語りもはっきり意図が感じられる演奏をするmueさんですが、今回はあえてダラダラとやるという。それもひとつの意匠です。レアなセットリストやひとりのミュージシャンの多面性を楽しめるというだけでなく、演奏する側にとっても聴く側にとっても意味のあるエクスペリメンタルな行為なのではないでしょうか。こんな楽しいガラクタなら是非また見たいと思いました。

 

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