2015年2月11日水曜日

猫の向こうの可能性

銀座並木通りと外堀通りの間、ソニー通りも銀座7丁目まで行くと、すこし喧騒から遠ざかる。5階建雑居ビルの4階に猫専門の小さなギャラリーシャトン・ド・ミューがあります。

そこで毎年2月に開催されるイラストレーター、装幀家の佐久間真人さんの個展『猫の向こうの可能性』にお邪魔しました。レトロフューチャーな風景をくすんだノスタルジックな中間色で細密に描く。1枚の作品に重層的な物語を感じさせる画風が魅力です。

ビルヂング、路面電車、飛行船、ガス燈、猫。佐久間さんの作品に繰り返し登場するモチーフです。同じギャラリーで同じ月に18年間。コンスタントで安定感があり、変化を目的としないところにいつも共感してしまいます。という僕も、ブログを読み返したら、4年連続で同じ日に同じギャラリーで同じ作家の個展を鑑賞していました(笑)。

ところが残念なことに、シャトン・ド・ミューさんが今年の7月で営業終了してしまう。通い馴れた店がなくなるのはさびしいことですが、佐久間さんは来年以降の個展会場を探しているとのこと。新しい街の新しい壁を飾る変わらない作品が、どんな風にその街に壁に馴染んでいくのかが楽しみでもあります。

そんなわけで今年限りの、銀座シャトン・ド・ミューでの佐久間真人展『猫の向こうの可能性』は今週末2月15日(日)まで。週末はおめかしして銀ブラという方は是非!



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