東京は桜が満開です。この季節に聴きたくなる「少しおとなになりなさい」。
ノラオンナさんが歌うのを僕がはじめて聴いたのは、ちょうど一年前の3月22日。下北沢Workshop Lounge SEED SHIPで開催されたPoemusica Vol.3で共演させていただいたときでした。それから彼女の音楽にすっかり夢中になり、CDをコンプリートしたり、何度かライブを聴きに行ったり、先月は銀座のノラの物語でお世話になったり。
ノラさんが昨年結成した5人組バンド"港ハイライト"のライブを3度目にしてようやく聴きに行くことができました。
吉祥寺MANDA-LA2のステージに上がったノラさんはミッドナイトブルーのサテンのドレスで長い髪にはアートフラワー。ソロのウクレレ弾き語りやギターの見田諭さんとのデュオのときのカジュアルな感じとはだいぶ違います。
「あたたかいひざ」で始まった港ハイライトのライブ。優しくうねる柿澤龍介さん(トルネード竜巻)のドラム、どっしり後ノリな藤原マヒトさんのベース。モノクロームをイメージさせるRicoさんのピアノというギターレス・トリオの演奏に、倉谷和宏さん(旭荘201)のスモーキーなハイトーンボイスとノラさんの低い声が重なる。
実際に聴く前は、バンド編成ということで、ソロやデュオよりカラフルな音楽をイメージしていたのですが、ライドシンバル以外はすべての楽器が中低音を鳴らすオルタナティブな響きを持っており、特に前半のマイナースウィング中心の曲構成では、更に密室度の高いプライベートな音像です。
ゲストのアコーディオニスト佐藤史朗さん(プラネタリウム)が加わって演奏に色彩を加え、リラックスしたワルツの「タクト」、カリプソ調のリズムの「リラのスカート」で一気に視界が開けるというステージ進行の妙。
アンコールで演奏されたノラさんの名曲「流れ星」以外はすべてバンド用に書き下ろされたオリジナル曲で、まだレコーディングされていない12曲はライブでしか聴けない。会場にいる人たちだけで秘密を共有するような甘美でゴージャスな時間が流れていました。
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