2011年12月24日土曜日

サウダージな夜 第15夜

中村加代子さんといえば、僕にとっては小森岳史さんtrixistextsで毎月ショートストーリーを連載している、いわばレーベルメイト。チャーミングな文章を書き、美しい写真を撮り、「秋も一箱古本市」を主催する青秋部部長の肩書きを持つ多才な方で、しかも美人。10月に古書信天翁さんTKレビューにいらしてくださり、打ち上げでお話した際に「一番好きなのは歌うこと」とおっしゃっていました。

その中村さんが、千駄木の古書ほうろうさんで毎月開催されている吉上恭太さんの「サウダージな夜」にゲスト出演するとうかがって、いそいそと出かけて行きました。

まず恭太さんのソロ。ザ・ビートルズの“With a Little Help From My Friends”、ACジョビンのボサノバ・スタンダード、オリジナルと全6曲をガットギターで弾き語り。声を張らずに訥々と進む演奏は「レイドバック」なんていう懐かしい単語を思い出させるものでした。

そして「シノバズの歌姫」と紹介された中村加代子さんが登場。細野晴臣の「悲しみのラッキースター」のカバー。その第一声から引き込まれました。武満徹「死んだ男の残したものは」「」、メル・トーメの“The Christmas Song”、カルメン・マキの「アフリカの月」。聴くものに何も強要せず、ただそこにある声。ビタースイートなアルトに満員の客席が包み込まれました。

クリスマスイブにぴったりのしみじみとした良いライブでしたが、歌や演奏もさることながら、会場の古書ほうろうさんが不忍ブックストリートの中心のひとつとして、地域コミュニティに愛されていることが素晴らしいな、と思いました。恭太さんのオリジナル曲なんか歌詞がみんな谷根千ネタだし。お客さんたちの持ち込みの飲食物ものすごい物量だし(ごちそうさまでした!)。このお店の十数年の努力と工夫があってのことですが、みんな古書ほうろうが大好き、ってことが本当に伝わってきて。ちょっと感動的でした。

そんな年末。僕もライブが一本入りました。すこし急で、しかも年の瀬もかなり押し詰まった29日ですが、年末年始は東京で、野球もサッカーもオフシーズン(でもないけれど)、テレビは再放送と特番ばかりで退屈。そんな人は是非いらしてください。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

Poemusica vol.00
日時:2011年12月29日(木) Open 18:30 Start 19:00
会場:Workshop Lounge SEED SHIP
世田谷区代沢5-32-13 露崎商店ビル3F
03-6805-2805 http://www.seed-ship.com/
料金:前売り¥2,000/当日¥2,500(ドリンク代別)
出演:Makoto Tanaka Piano solo unit
http://jp.flavors.me/tanaka_makoto
井上侑 http://www.inoue-yu.com/
yojikとwanda http://www.yojik-wanda.com/
カワグチタケシ http://kawaguchitakeshi.blogspot.com/

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

今回共演する三組はいずれも気鋭のミュージシャン。ピアノソロ、ピアノ弾き語り、ギター&ヴォーカル。みなさんはじめましてなので、僕自身楽しみです。

今回がパイロット版となるSEED SHIPさんの「Poemusica」。2012年にシリーズ化されたあかつきには、僕もブッキングや出演で全面協力する予定です。お楽しみに!

0 件のコメント:

コメントを投稿