2011年8月20日土曜日

ハッピー・ジャーニー

雨が上がり、急に気温が下がった土曜日の昼下がり。下北沢OFFOFFシアターで、劇団フライングステージ第36回公演『ハッピー・ジャーニー』を鑑賞しました。

30歳のゲイを息子に持つ母親が主人公。祖父の法事に出るために、母子いっしょに東京から母の実家のある札幌まで、鉄道とレンタカーの旅をする。息子の彼氏、元彼、元彼の今彼が絡んで楽しくも切ない珍道中に。

カミングアウトしているゲイの劇団。今回のお芝居のテーマは、家族との葛藤、そして理解と受容。何度か取り組んできたものですが、以前は当人目線で描かれていたのが、今回は母親の視点が中心に。作・演出の関根信一さんが、若いゲイたちを見守るような立場になったということなのかも。

そのせいか全体の印象は、フライングステージの舞台としては薄味です。上演時間もコンパクト。ウェルメイドでハートフルなお芝居と言っていいと思います。役者さんたちは見るたびに上手になって、細かな感情表現や、笑いを誘う軽妙なやりとりが随所に。最小限のセットを活かす照明もお見事でした。

僕の右隣の客席には、10代の男の子とお母さんの二人連れ。目の前の舞台で繰り広げられるストーリー。そしてお隣の母子の関係。そのふたつが交錯して、なんだか心温まりました。

 

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