今回のテーマはlol(エルオーエル)。ノラバーのサイトに掲示された本公演のキービジュアルがmindimimiさんのチェシャ猫のような満面の笑顔(2023年3月19日撮)だったことから。lolは一般にはLaugh Out Loud、大爆笑の意ですが、頭文字をmandimimi流に展開した3つのパートによって構成されたセットリストです。
1st set は "Languages Of Longing"。The distance between us というリフレインが印象的なオリジナル曲 "Yours & Mine" からスタートしました。山崎まさよしやThe 1975のカバーも交えて6曲。憧憬、希求、切望、郷愁。それぞれニュアンスが違い、Longingは日本語に訳しにくい単語だと思うのですが、mandimimiさんの音楽の根底にいつも流れている感情であることは間違いないです。
2nd setは "Letters Of Love"。英語、日本語、中国語(Mandarine)の歌詞が交錯する楽曲たち。台湾高雄、シアトル、NY、八戸、神戸、そして東京。ここでいうloveは恋愛に限らず、かつて暮らしたあるいは訪れた土地への恋慕、その土地で今も暮らす人々への私信を感じました。
約60分のパフォーマンスのあとは出演者も観客もカウンターで一列に並んでノラバー御膳を賞味しながらわいわいします。前回4月のたけのこご飯がとうもろこしご飯に変わり、ノラバーに夏が来ました。とろとろの火加減の焼きなすの出汁と糸生姜のマリアージュも夏感。
食事とおしゃべりと楽しんだあとは30分間のデザートミュージック。インスタライブ配信併用の3rd setは "Life Of Light" 。他の出演者にも感じたのですが、本編よりぐっとリラックスした空気が流れます。BTSの "Spring Day" のmanidimimi訳中国語ver.、新曲 "Take Two" もよかった。
「中国語詞はエモーショナル、英語で歌うとクール、日本語だと優しい」「胸の奥深いところで癒しを感じる」。いずれも慧眼だと思います。たったいま目の前で響いた音楽に対する他のお客様の感想が直接聞けるのもノラバーならでは。ライブに行って初対面の方と話すことはなかなかないですよね。
mandimimiさんの音楽に感じる優しさ。sweetであり、tenderであり、kindでもあり、時にgentleでもある。mandimimiさんの優しさは世界に対する信頼。僕はそこに魅力を感じ、惹かれるのだと思います。
ライブが終わり、先頃お亡くなりになったブラジルの歌姫アストラッド・ジルベルトのレコード "A Certain Smile" (邦題:ある微笑み)をノラバー店主ノラオンナさんがプレーヤーに乗せ、lol(エルオーエル)な日曜の夜が更けていきました。
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