日曜日の夜、丸の内ピカデリー1で矢口史靖監督作品『ダンスウィズミー』をレイトショー鑑賞しました。
大企業の本社勤務OL鈴木静香(三吉彩花)は、小さい頃は歌が大好きで小学校の学芸会でミュージカルの主役に選ばれた。本番での大失敗がトラウマになりミュージカル嫌いになったが、場末の占いテーマパークで老催眠術師マーチン上田(宝田明)に音楽が聞こえると歌い踊らずにはいられなくなる体質に変えられてしまう。
会社の若手エース村上(三浦貴大)にプロジェクトに抜擢されるが、仕事にも私生活にも支障が激しく、催眠術を解いてもらうべく、マーチン上田を追いかけ、元アシスタントの千絵(やしろ優)、探偵渡辺(ムロツヨシ)とともに、新潟、秋田、青森、函館、札幌と旅をするロードムービーです。
華やかなダンスシーンがスクリーンに映し出されますが、実は主人公の脳内イメージで、実際にはもっとずっとドタバタで格好悪い、というモンタージュになっており、その意味ではメタミュージカルといってもいいと思います。そもそもミュージカルという枠組み自体が虚構オブ虚構なわけですから、一回りしてリアリズムという入れ子になっている。オフィス内の群舞では紙吹雪がシュレッダーの屑というのが最高です。
そして主人公を演じる三吉彩花さんが大変魅力的に撮られています。Tシャツにデニムというシンプルなスタイルでも、モデルらしく身体のラインがきれいなのに加え、体幹がびしっと通っていてダンスが美しい。宝田明のこれぞスターという佇まいも流石。
オープニングとラストに2度かかる山下久美子の "Tonight" は本当に名曲だし、エンドロールの「タイムマシンにおねがい」の群舞にもテンションが上がります。終演後に照明の点いた客席を出ると、映画館のロビーがいつも無音であったことに気づかされました。
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