師走の日曜日のショッピングモールは家族連れやカップルや同級生で大賑わい。ユナイテッドシネマ豊洲でラッセ・ハルストレム、ジョー・ジョンストン監督作品『くるみ割り人形と秘密の王国』を観ました。
舞台は20世紀初頭(?)のロンドン。母親を亡くして初めてのクリスマスを迎えるシュタールバウム家の二女一男。次女のクララ(マッケンジー・フォイ)は屋根裏部屋でピタゴラ装置を自作するリケジョ。
伯父ドロッセルマイヤー卿(モーガン・フリーマン)のパーティで引き当てた母の形見の卵型のジュエリーボックスを開くピンタンブラー錠の鍵を奪ったネズミを追いかけて並行世界へ迷い込んでしまう。
チャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』(原作E.T.A.ホフマン)とは主人公の家族親族の設定が同じだけで全く別のストーリーです。サウンドトラックはチャイコフスキーを引用したジェームズ・ニュートン・ハワードのオリジナルスコアと言っていいと思います。原曲にはないピアノ演奏は『のだめカンタービレ』の吹き替えでお馴染みラン・ラン。また開始15分程で「花のワルツ」が流れます。
とはいえディズニー映画ですから、スケールが大きく、セットや衣装がゴージャス、ジョー・ジョンストンの手掛けるVFXやアクションも派手で飽きさせない。まあ元々の『くるみ割り人形』自体、ダンスありきの割とどうでもいいストーリーですから問題ないです。
スウェーデン出身のハルストレム監督はハリウッドの巨匠がすっかり板につきました。『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』(1986)以降ずっと「母親の不在と子供の成長」というテーマに取り組んでいますが、今回もブレません。本作で描かれる並行世界は亡き母の妄想によって築かれている。
主人公クララを演じるマッケンジー・フォイは『インターステラー』の子役。いい感じに仕上がっています。赤い軍服姿が大変凜々しい。くるみ割り人形(ジェイデン・フォーラ=ナイト)の助けを待たず、ブリキの兵隊たちをハイキックで次々に倒すのが爽快で、21世紀のディズニープリンセス像を体現しています。
ミスティ・コープランドとセルゲイ・ポルーニン。当代きってのプリンシパルふたりが踊るエンドロールはクリスマスモチーフのアニメーションも可愛らしくバレエファン必見です。
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