晴天。2月に入って空の色が明るくなった気がします。銀座2丁目マロニエ通り、昭和通りを渡った先の左側、ギャラリー銀座で開催しているイラストレーター/装幀家佐久間真人さんの個展『あの街の猫の夢』の最終日にお邪魔しました。
くすんだセピア色の画面にはモダニズム建築や路面電車。ブリキの配管が縦横に走り、日が暮れるとセメントの階段に猫たちが集まってくる。ノスタルジックで物語性のある作風に惹かれ、年に一度の個展に足を運ぶようになって数年経ちます。
従来の作風に加え、最近のミステリ小説の装幀の仕事では、バウハウスやロシア構成主義等、20世紀初頭を想わせる強い原色の組み合わせや、反対に水墨画のような繊細なタッチも。手書きの描線とデジタル処理を効果的に組み合わせた作品群を作者ご本人の解説と共に観賞しました。
原画やポストカードは購入したことがあるのですが、何かグッズを作ればいいのに、と思っていたところ、今回からブックカバーが投入されました。地元豊橋の2軒の個人書店とタイアップして、実在の書店名が架空の情景にしっくり馴染んでいる。それがまた人々の手に渡り色々な書籍を包み持ち運ばれる、と考えると幾層にも入れ子になって心躍ります。
佐久間さんご本人とも1年ぶりにご挨拶することができました。昨年購入した作品のことを気にかけてくださって。それはミステリ小説の表紙画で、矢で射られたコマドリが血を流している構図。食卓に飾って毎日眺めています。
ギャラリー銀座さんは残念ながら今年閉廊とのこと。来年また別の場所で佐久間さんと作品たちに会えることがいまから楽しみです。
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