米国にはニューポートという地名が各地にありますが、この映画の舞台は東海岸ロードアイランド州ニューポート。海辺にある落ち着いた大学街です。サードウェーブで有名なオレゴン州のじゃなくて、ジャズフェスティバルのほうね。
そこに赴任したエイブ・ルーカス(ホアキン・フェニックス)は厭世的でアルコール依存気味な哲学科教授。まあツイッターなんかやっていたら、いい大人のくせして「死にたい。。」とか呟いちゃうようなオヤジです。
女子学生(エマ・ストーン)や同僚の既婚化学科教授(パーカー・ポージー)と恋仲になったりするけれど、モチベーションは総じて低い。ある日デート中のダイナーで耳にした隣席の会話。悪徳判事によって親権を奪われそうな母親とその親類。当の母親にも知らせずに判事の殺害を企てることで生きる希望を見つける、というお話。
よくできたコメディですが、『ミッドナイト・イン・パリ』『ローマでアモーレ』なんかに比べると終始オフビートで、爆笑シーンはありません。でもこのむずがゆい感じこそウディ・アレンなんじゃないでしょうか。エマ・ストーンは『マジック・イン・ムーンライト』の1920年代フラッパースタイルもチャーミングでしたが、この作品では適度に肉付のあるヘルシーでエレガントな脚線美を前面に出しています。
そして主役ホアキン・フェニックス(ex.リーフ・フェニックス)。いまだに故リヴァー・フェニックスの弟という扱いは不憫ですが、かつての美少年の面影はなく、下腹の出たスノッブなおっさん。イラクで地雷を踏んだだの、親友がテロリストに斬首されただの、発言がいちいち胡散臭い。胡散臭いイケメンはモテる、の典型。ナイス・キャスティング。
音楽の使い方がいつもながら気が利いていて、ラムゼイ・ルイス・トリオの "The 'In' Crowd" が要所要所を格好良く締めていました。
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