以前から気になっていましたが、昨年末に古書信天翁さんで開催したカバーライブ "sugar, honey, peach +love ~Xmas mix" にご来場いただいてからSNSではうっすらつながっていたあがささんのライブにようやくお邪魔することができました。
四谷三丁目の綜合芸術茶房 喫茶茶会記 "49" CANTATA BEATLISH edition EPs Relese Live"。RED、BLUE、GREEN、3枚のカバーEPがリリースされ「長かったビートルズへのこじらせ愛も今日で終わり」という。
靴をスリッパに履き替えて通された板敷の奥の間は、実家の応接間に良く似た雰囲気。壁際に古いヤマハのアップライトピアノが置かれています。
そのピアノで劇伴のために書いたインストゥルメンタルナンバーを2曲。ペダルの軋みまで聴こえる厳粛な空気から3曲目の琉球島唄「安里屋ユンタ」で第一声を発した瞬間に空間を支配する声の力。水玉のスカート姿で猫のようにエレガントなすり足のあがささんの旋律は、南米、東欧、アジア、そしてビートルズへと自在に行き来し、ピアノとガットギターと歌声だけで聴かせる全20曲。
元来は宅録派でそれほどライブはやっていなかったといいますが、密室で誰にも干渉されずに膨らませ続けた音楽なのでしょうか。その一方でギターの正確で緻密なパッセージに強靭なフィジカルが透けて聴こえる。
あがささんの音楽からは内奥の闇が容易には見えない。幾重もの殻で隠されているように思えます。その殻を美しく彩色してみせることで聴く者を魅了する。そんなライブのあり方に気づかせてもらった夜でした。
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