これまでは初共演の2組をブッキングしてきましたが、今回は趣きを変えて。ちみんさんと古川麦さんは3度目の共演(初回は2014年12月のPoemusica ol.35)、ふたりとも中村大史(annie)さんとは別々に旧知の音楽仲間。
事前の打ち合わせやリハーサルから「これは間違いない」と思える回もありますが、今回は少々アクシデント含み(笑)。でも、麦くんが満員の客席を縫ってマイクの前に腰掛け、"Voyage"の短いギターのイントロダクションを爪弾き、第一声を発した瞬間に、会場全体が豊かで清新な空気に満たされました。
ケニー・ランキンと武満徹。2曲のカバーのあと、annieさんが加わってデュオでオリジナルを3曲。そして、ちみんさんの弾き語りで「夜」「すべて」。誰にも真似できない特別な声。再び麦くんとannieさんが加わり、3人のアンサンブルに。
ちみんさんの小さな宝石のようなオリジナル曲と「Moon River」「The Water Is Wide」「蘇州夜曲」、アンコールは宮澤賢治の「星めぐりの歌」。ノスタルジックで優美なアコーディオンの音色。フラットマンドリンの繊細なパッセージ。長身痩躯のannieさんの柔らかな存在感は、まるでケルト神話の妖精のようです。
どの瞬間も静かに光を放っている。寒い冬の午後にあたたかく灯る美しい音の波に身を委ねているうちに、あっという間に90分の幸福な時間が過ぎました。
ご来場のお客様、JAZZ喫茶映画館の吉田ご夫妻、才能溢れる3人の音楽家のみなさん、どうもありがとうございました。こんな時間をまた皆で共有できたら幸いでございます。
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