早稲田大学文学部正門前にある「あかね」は、1990年代後半にだめ連の活動拠点となり、今も(ファッションではなく)リアルなストリートカルチャー、エッジを生きる人々の交差点のような役割を果たしています。
その店で不定期開催されている詩の朗読会に参加しました。かつて小森岳史と3人で「3K」というリーディングシリーズを展開していた究極Q太郎がメインMCを務めていましたが、現在はあかねスタッフのひとりであるガテマラさんがフリーエントリーのオープンマイクを仕切ります。
参加者は常連客のうち創作志向のある方が中心。ひとり1作ずつ何周か回していく形式です。朗読された作品ひとつずつに対して文学的、人文科学的、イデオロギー的な視点から批評が交わされるのが特徴です。
お店の性格上、イデオロギー色の強い作品が複数提示されましたが、リベラルなものもあれば、パトリオットなエコノミズムに基づくものもある。アベノミクスに反対する勢力を揶揄する作品はストレートゆえにアイロニィを帯びる。そんな転換の面白さもあって。
スケッチブックを用いたフリップ芸調のストーリーが回文に帰結するユーモラスな作品。現代俳句のカウンター且つ正統的な継承者たる廃人餓号氏の独特の息づかい。他所では聞けないオルタナティブな表現があります。
僕は、究極Q太郎「蟇蛙のブルース」、カオリンタウミ「RUMBLING IN THE RAIN」、自作の「ANGELIC CONVERSATIONS」「水の上の透明な駅」「都市計画/楽園」の5篇を朗読。
昨今の安保法案を巡る国会情勢を反映し、終盤はガチな討論に。マスメディアやSNSによくある聞く耳持たずの罵倒合戦に陥らないのが、ファシリテーターでもあるガテマラさんのスキルと、あかねという場が本来持つ懐の深さなんだろうな、と18年のその歴史に思いを馳せました。
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