パンダ好きの聖地、中国四川省の成都パンダ基地(成都大熊猫繁育研究基地)。パンダが双子を出産する確率は50%。野生の母パンダは、そのうち丈夫な一匹だけを選び、弱い一匹は捨てる。パンダ基地では、絶滅危惧種保護のため、双子の両方を人間がサポートすることにより育てています。
通常体重150g前後で生まれるパンダの赤ちゃんですが、未熟児で51gしかなかったため51(ウーイー)と名付けられた男子パンダの6年間の成長の記録。生まれたてのパンダは全身ピンク色で、生後2週間あたりから白黒の模様が現れます。
パンダって、やる気のない生活態度が魅力の動物ですよね。終始緩慢で怠惰。でも、そこがかわいい。哺乳瓶を両手で抱え、集団で仰向けになってミルクを飲む幼児パンダ。高齢初産で子育てが苦手な母パンダは我が子にうまく授乳することができない。その母娘両方にキレる飼育員「あんたももっと大きな声でアピールしなさいよ!」。見どころたくさんです。ちなみに父親パンダは一度も画面に登場しません。
過剰に泣かせる演出がないのには好感を持ちました。パンダたちの生活に迫る淡々としたドキュメンタリーと言っていいと思います。平井真美子さんが抒情的ですが甘過ぎない音楽で場面をつないでいきます。ピアノだけでなく、ハープや弦楽合奏、オルゴールのような音色も交えて、品よく丁寧に。
思春期を迎え気分の荒れた51が、いらだちまぎれに従兄弟パンダにつかみかかったり、投げやりに水たまりに飛び込み暴れるさまも、笑って見ている入園者。本人はいたって真剣なのに、ユルいヴィジュアルのために周囲に理解されない、という悩みにはとても共感を覚えました。
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