江古田といえば、大学時代にしばしば飲みに行った懐かしい街。僕が講師を務めるフィクショネス詩の教室に十代の頃から通ってくれている千葉まほさんが初めて朗読会に出演するというので、西武線に乗って出かけていきました。
愛らしい容姿とは裏腹に、重厚なドライブ感と、樹木や土壌の湿った匂いを感じさせる千葉さんの詩作品。作者自身のガーリィでふわっとした声で再生されるときに、更に多彩で重層的なイメージを帯びます。そのパフォーマンスは瑞々しくも堂々としたものでした。
会場の中庭ノ空は、詩人の五十嵐倫子さんが昨年2月に始めたPoem & Gallery Cafe。きれいなフローリングの床と、白と空色で統一された内装が印象的なお店です。次の御座敷(フィクショネス文学の教室)があったので、今日は終演後早々に辞去しなくてはなりませんでしたが、またおじゃましたくなる気持ちの良い空間でした。
そういえば、純粋な観客として朗読会に行ったのはひさしぶり。ちょっと反省しました。音楽のライブとは異なり、朗読会は隙間が多い。連と連のあいだのふとした無声の瞬間に聞こえてくる街路の音や冷蔵庫の唸り、やかんの沸く音なんかが、実に心地良いんですよね。もちろん、丁寧に発語される声たちも。以前のように、もっと朗読を聴きに行こうと思わせてくれる良いイベントでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿