台風の進路が東京を逸れて、湿度の高い9月最初の日曜日。荻窪の老舗 名曲喫茶ミニヨン で、triolaのヴィオラ奏者手島絵里子さんがピアニストの明利美登里さんと開催したクラシックのデュオリサイタル"Spirale vol.1"を鑑賞しました。
triolaでは、安定したクールなタイム感で脇を固める役割の多い手島さんは「引きの芸」の名手。彼女がセンターに立ったらどんな音楽が生れるのだろうという興味も。
ふたりにとってはじめての単独公演ということもあって、おそるおそるという感じの出だし。緊張がボウイングに出てしまった前半でしたが、後半はふたりの演奏の温度がじわじわ上がり、手島さんはtriolaではあまり出すことのない情熱的な一面も垣間見せ、新鮮でした。
特に最後の2曲、リストとブラームス、そしてアンコールの武満徹のリラックスした演奏は聴いていて心地良く、楽しかったです。 客席数約30の最前列は演奏者の体温まで感じられるようで、正午開演というのも自然光の良く入る会場に合っていました。続編にも期待しています!
クラシック音楽の世界には、ヴィオラ・ジョークというのがございまして、オーケストラのなかでも一番影の薄いパートを揶揄したものなのですが、ヴィオリスト自身もヴィオラ・ジョークが好きなんですよね。おそらく自虐的な意味も含めて(笑)。たとえばこんなものです。
Q.ヴァイオリンを盗まれないようにするには?
A.ヴィオラのケースに入れておきます。
Q.ヴァイオリンとヴィオラの違いは?
A.ヴィオラの方が長く燃えます。
ヴィオラの方がたくさんビールが入ります。
ヴァイオリンは調弦できます。
確かにヴィオラは地味な存在の楽器ですが、逆にその地味さ、渋さを愛したブラームスみたいな作曲家もいて。 僕も好きです。
1. F.P.トスティ 夢
2. W.A.モーツァルト ピアノソナタ ハ長調 K330
3. G.エネスコ 演奏会用小品
4. F.クライスラー 愛の悲しみ
5. E.グラナドス スペイン舞曲集op.37より 第5番アンダルーサ~祈り~
6. F.リスト コンソレーション第3番より第3番 ため息
7. J.ブラームス ヴィオラソナタ第2番 変ホ長調op.120-2
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