ずいぶん日が短くなってきました。そんな初秋の夕暮れ時に、ジョー・ライト監督の『ハンナ』を鑑賞。北欧戦闘美少女ロードムービーです。
主人公ハンナ(シアーシャ・ローナン)は、金髪、ソバカス、空色の瞳の16歳。 恐れや哀れみの気持ちを抑制し、武術、射撃、語学に優れた殺戮マシンとして、雪深いフィンランドの森で育てられた。母親の仇敵であるCIAエージェントのマリッサ(ケイト・ブランシェット)を殺すために、CIAに潜入するが、逆に追われる身となり、モロッコ、スペイン、ドイツと逃亡の旅を続ける、というストーリー。
主人公ハンナがとにかく強い。もう笑っちゃうぐらい強いです。華奢な身体で、屈強な野郎共を殴る、蹴る、投げる、絞める、撃つ、刺す。そして、よく走る。速くて、フォームがきれい。ランニングに限らず、アクション全般が美しく、特に冷徹な目で撃鉄を引く射撃シーンは記憶に残ります。
ひょんなことからヒッピー家族(両親、姉弟)のキャンピングカーに同乗することになりますが、この一家とのやりとりが軽妙で楽しいです。特にハンナと同世代の姉は「サッカー選手と結婚してセレブ暮しがしたい」とか言ってて、ちょっとおバカなのですが、最後の最後に友情を裏切らないのが泣かせる。
カメラワーク/編集もスタイリッシュで、サウンドトラックを担当したケミカル・ブラザースの複雑なキック音に合わせてめまぐるしくカット割りが変る戦闘シーンなど、音楽と映像のリズムが完璧にシンクロして、重低音の効いた映画館のドルビーサウンドで聴くと、テンション上昇。
ちなみに、ヒッピー家族のカーステレオでかかるのは、ケミカル・ブラザースではなく、デイヴィッド・ボウイの"Kooks"。そういう細かいところも丁寧に作られています。
シアーシャ・ローナンと同い年の川島海荷初主演のTBSドラマ『ヘブンズフラワー』の主人公アイのビジュアル・イメージは、おそらくハンナから来ているのでは。3.11後、放送中断したままになっていましたが、現在第1話から再放送中です(関東ローカルのみ)。
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