空梅雨。晴天の日曜午後、東京メトロ東西線15000系に乗って早稲田まで。ブックカフェCAT'S CRADLEで蛇口さんが年一回主催しているポエトリ-・リーディング・ショー『ことばーか』の第10回目にして最終回にお邪魔しました。
蛇口さんには同じ棒読み派詩人として勝手に親近感を抱いています。かといってのっぺり無表情かというとそんなことはなく、彼の選ぶ言葉の連なりにはエモーションがあり、リーディングにはグルーヴがある。
石渡紀美さんの最近のパフォーマンスの充実ぶりには目を瞠ります。以前はもっとがちゃがちゃしたところがあって、それはそれで面白かったのですが、静けさのなかに単語を置くようないまの朗読の凄み。庶民的なのに何か人を寄せつけないところ。
馬野ミキさんがロン毛(というよりマッシュルームカットか)になっていました。スキンヘッドの印象が強かったので。この詩人はどんな汚い言葉を使っても喚起する映像が澄んでいます。いくつになっても幼児の目を失わない人。
今回の出演者ではギタリストのヤスオ・トゥワープ氏だけが初めてでした。ひとりジャグ。粗野に見せかけて超リリカル。彼と蛇口さんと石渡さんの3人で始めたイベントだということも、そのあとふたりが抜けて蛇口さんだけ残ったことも初めて知りました。
さいとういんこさんも強力でした。「S・R・H」(白髪、老眼、閉経)。なんていうか、若いミュージシャンや詩人が等身大とか言ってるのがちゃんちゃら可笑しくなるぐらい。リアルとはこういうこと。そしてチャーミングな方法で提示すること。
桑原滝弥さんは自叙伝風の散文詩。彼の声は大まかに2種類あるのですが、鋭くて硬質な声を中心に置き、時折テンポダウンして倍音混じりの深い低音に転じる。この2声のバランスと転換の鮮やかさが今日は絶妙に決まって。
15年以上前から共に場数を踏んできた盟友たちの名人芸に聴き惚れた日曜日の午後でした。
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